「事業用自動車安全通信」第１０９号(Ｈ23．8．19)

「事業用自動車安全通信」第１０９号(Ｈ23．8．19)

＝目　次＝
１．重大事故等情報＝２２件（８月５日〜８月１８日分）
（１）乗合バスの車内事故１
（２）乗合バスの運転者が大麻取締法違反の疑いで逮捕
（３）乗合バスが交差点で路面電車と接触した事故
（４）乗合バスの車両火災事故
（５）乗合バスの車内事故２
（６）乗合バスが降車した乗客を轢いた事故
（７）貸切バスが自転車と衝突した事故
（８）貸切バスが乗用車に追突して６台が絡む多重衝突事故
（９）貸切バスがトラックに追突した事故
（10）タクシーの車内事故
（11）タクシーが二輪車と衝突した事故
（12）タクシーが交差点で乗用車と衝突した事故
（13）タクシーが自転車と衝突した事故
（14）タクシーが迎車した男性を轢いた事故
（15）タクシーが自転車の男性を撥ねた事故
（16）トレーラが乗用車と衝突した事故
（17）トラック運転者が救護義務違反の疑いで逮捕
（18）トラックが落下物の影響で横転した事故
（19）トラックが前方を走行中の自動二輪車に追突した事故
（20）トラックがキャンピング車に追突して４台が絡む多重衝突事故
（21）トラックが貸切バスに追突した事故
（22）トレーラ運転者が救護義務違反の疑いで逮捕

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【１．重大事故等情報＝２２件】（８月５日〜８月１８日分）

（１）乗合バスの車内事故１
８月５日午前１１時３０分頃、大分県のバス停において、乗合バスが乗車扱いを終え
て、乗客６名を乗せて発車したところ、このバス停より乗車した乗客１名（女性、７
０才）が転倒した。
この事故により、転倒した乗客が腰椎骨折の重傷を負った。
事故当時、当該バスの運転者は、当該バスを発車させる際、当該乗客が車内中央部の
１人掛け座席に着席したことを確認したが、当該乗客は床に落とした整理券を拾おう
と当該バスの発車の直前に席を立ったため、バランスを崩し転倒した模様。

（２）乗合バスの運転者が大麻取締法違反の疑いで逮捕
８月９日午前１０時１０分頃、愛知県において、乗合バスの運転者が自宅マンション
に大麻草約７グラムを隠し持っていたとして、警察は当該バスの運転者を大麻取締法
違反（所持）の疑いで現行犯逮捕した。
警察の調べによると、当該バスの運転者は容疑を認めており、バスの運転に支障がな
いよう休日のみ使用していたと供述している模様。
また、この自宅からは、吸引用パイプ、合成麻薬などの錠剤も見つかった模様。

（３）乗合バスが交差点で路面電車と接触した事故
８月１０日午後６時１５分頃、長崎県において、乗合バスが乗客４５名を乗せて運行
中、後方から接近してきた路面電車と接触した。
この事故による負傷者はなし。
事故現場は、片側二車線の道路の中央部に敷かれていた軌道が、当該交差点内で車道
を斜めに横切り、当該バスから見て左前方の軌道専用道へ進入する交差点。
事故当時、当該バスの運転者は、道路渋滞のため当該バスの車体前部が路面電車の軌
道内に入った状態で、交差点内に停車していたところ、信号が赤に変わり、右側後方
から路面電車が接近してきたため、当該バスを左に寄せて通過させた。
その後、当該バスの運転者は、当該バスの車体後部が横断歩道上にあることに気付
き、当該バスを少し前進させて停車したところ、右側後方から別の路面電車が接近し
てきたため、当該バスに装備された警音器等で危険を知らせたが、当該バスの右側の
バックミラーと路面電車の左側中ドア付近が接触した。
接触した路面電車の運転者は、当該バスに接触せずに通過可能と判断した模様。

（４）乗合バスの車両火災事故
８月１１日午前５時５０分頃、山形県において、乗合バスが乗客２３名を乗せて運行
中、後続車からパッシング及びクラクションを鳴らされたため、当該バスの運転者は
不審に思い、当該バスを近くの待避所に停車させた。当該バスの運転者が車体後部を
確認したところ、エンジンルームから発煙していたため、当該バスの乗客を車外へ避
難させて、当該バスに備えられていた消火器を用いて消火した。
この事故による負傷者はなし。
その後、現場にかけつけた当該バスの事業者の整備担当者が当該バスのエンジンルー
ム内を確認したところ、ターボチャージャーの潤滑オイル供給パイプの取付け部から
のオイル漏れが発生していたほかエンジン冷却水ドレンホースが焼損していた模様。
なお、当該バスの乗客は代替車で目的地へ移動した。

（５）乗合バスの車内事故２
８月１１日午後２時頃、大阪府のバス停において、乗客５名を乗せた乗合バスが降車
扱いのため停車したところ、このバス停で降車しようとしていた乗客１名（女性、８
４才）が転倒した。
この事故により、転倒した乗客が右上腕骨頸部骨折の重傷を負った。
事故当時、転倒した乗客は、当該バスが停車する前（バス停の１０メートルほど手
前）に席を立ったため、停車と同時にバランスを崩して転倒した模様。

（６）乗合バスが降車した乗客を轢いた事故
８月１８日午後７時５分頃、千葉県において、乗合バスが運行中、バス停で乗客４名
を降車させて発車したところ、当該バス停で降車した乗客（男性、６４才）を轢い
た。
この事故により、轢かれた乗客が死亡した。
事故当時、当該バスの運転者は、乗客の降車後に安全確認を行った後、当該バスを発
車させたが、当該バスの左後輪で轢いた模様。

（７）貸切バスが自転車と衝突した事故
８月１２日午前９時３０分頃、青森県において、貸切バスが乗客の送迎のため回送運
行中、自転車の男性（７９才）を撥ねた。
この事故により、撥ねられた男性が死亡した。
事故現場は、横断歩道のない片側一車線の直線道路で、事故当時、当該バスの運転者
は、当該道路の左側にある脇道から当該道路を横断してきた男性に気付きブレーキを
かけたが撥ねた模様。
なお、当該脇道は建物のかげになっており、見通しは悪かった模様。

（８）貸切バスが乗用車に追突して６台が絡む多重衝突事故
８月１２日午後３時１５分頃、東京都の高速道路において、貸切バスが走行中、渋滞
のため停車していた乗用車に追突し、追突された乗用車はさらに前方の乗用車に追突
するなど、計６台が絡む多重衝突事故となった。
この事故により、１０名が軽傷を負った。
この事故は、当該バスの運転者が、漫然運転となったため発生した模様。
なお、当該バスは、１２日の午前中に乗客を目的地まで送り、回送で所属する営業所
に戻る途中であった。

（９）貸切バスがトラックに追突した事故
８月１４日午後１１時１０分頃、神奈川県の高速道路において、貸切バスが乗客４３
名を乗せて運行中、前方において中型トラックと軽自動車が何らかの原因で停車して
いたところに大型トラックが追突し、この大型トラックに当該バスが追突した。
この事故により、当該バスの乗客１２名及び運転者１名、当該軽自動車の運転者及び
同乗者１名の計１５名が軽傷を負った。
当該バスは、片側三車線のうち第二通行帯を走行していたところ、前方を走行してい
た大型トラックが急ブレーキをかけたため、当該バスの運転者はブレーキをかけたが
間に合わなかった模様。

（10）タクシーの車内事故
７月２９日午後６時４０分頃、北海道において、タクシーが乗客１名（女性、３４
才）を乗せて運行中、道路の左側から歩行者が携帯電話を使用しながら飛び出してき
たため、当該タクシーの運転者は急ブレーキをかけた。
このため、当該タクシーの乗客が急ブレーキの反動により第６頸椎骨折の重傷を負っ
た。
当該乗客は、シートベルトを装着していなかった模様。
なお、飛び出してきた歩行者は、当該タクシーと接触したものの、当該タクシーの運
転者に頭を下げて現場を走り去った模様。

（11）タクシーが二輪車と衝突した事故
８月３日午後１１時１０分頃、東京都において、タクシーが乗客１名を乗せて運行
中、当該交差点を青信号で右折しようとしたところ、対向車線を直進してきた二輪車
と衝突した。
この事故により、衝突した二輪車の運転者１名が死亡、当該二輪車の同乗者１名が意
識不明の重体。
現場に駆けつけた警察は、当該タクシーの運転者を自動車運転過失致死傷害の疑いで
現行犯逮捕した。

（12）タクシーが交差点で乗用車と衝突した事故
８月１０日午後１時５分頃、富山県おいて、タクシーが乗客１名を乗せ運行中、赤信
号の交差点に進入したため、当該交差点を当該タクシーから見て右から走行してきた
乗用車と衝突した。
この事故により、当該タクシーの乗客が左上腕部骨折の重傷を負った。
この事故は、当該タクシーの運転者が、常連客である当該乗客との話に夢中になった
ため脇見運転となり、赤信号を見落としたことにより発生した模様。
なお、当該タクシーの乗客はシートベルトを装着していなかった。

（13）タクシーが自転車と衝突した事故
８月１３日午後１０時１０分頃、北海道において、タクシーが空車で走行中、信号の
ない交差点を通過しようとしたところ、当該交差点の左側から右側に横断していた自
転車と衝突した。
この事故により、この自転車に乗っていた男性が死亡した。
当該タクシーは、片側二車線の道路の右側の車線を走行していたところ、左側の車線
を走行していた車両の前方から横断してきた自転車と衝突した模様。

（14）タクシーが迎車した男性を轢いた事故
８月１３日午後１０時３０分頃、青森県において、タクシーが迎車のため走行してい
たところ、道路上にいた男性を轢いた。
この事故により、轢かれた男性が死亡した。
事故現場は、当該タクシーから見て右カーブを抜けてすぐの直線道路で、付近には街
灯がなく暗い状況であった。
なお、撥ねられた男性が当該タクシーを呼んでおり、酒に酔ってかがんでいた模様。

（15）タクシーが自転車の男性を撥ねた事故
８月１６日午前２時頃、東京都において、タクシーが空車にて走行中、自転車の男性
を撥ねた。
この事故により、撥ねられた男性が死亡した。
事故現場は、信号機や横断歩道のない道路で、当該自転車はタクシーの右側から横断
してきた模様。

（16）トレーラが乗用車と衝突した事故
８月８日午前１１時頃、岐阜県において、大型トレーラが片側一車線の道路を走行
中、対向してきた乗用車と衝突した。
この事故により、当該乗用車の乗員３名が死亡した。
事故現場は、大型トレーラから見て下りの急な右カーブであり、この事故は、当該乗
用車が、センターラインを越えて走行してきたため発生した模様。

（17）トラック運転者が救護義務違反の疑いで逮捕
８月１０日午後３時５０分頃、石川県の交差点において、大型トラックが横断歩道を
歩行していた女性（８５才）を撥ね、そのまま走り去った。
この事故により、撥ねられた女性が死亡した。
事故後、警察は事故現場から約３キロメートル離れた場所で当該トラックを発見し、
当該トラックの運転者を自動車運転過失致死及び道路交通法違反（救護義務違反）の
疑いで逮捕した。
事故現場は、見通しの良い片側一車線の直線道路で、当該交差点の横断歩道には押し
ボタン式の信号機が設置されていた。

（18）トラックが落下物の影響で横転した事故
８月１１日午前６時５分頃、静岡県の高速道路において、大型トラックが走行中、道
路上の落下物を避けようとしたところ横転した。その後、後続の乗用車等計４台も当
該落下物を避けようとして事故に巻き込まれた。
この事故により、３名が軽傷を負った。
当該落下物は、対向車線を走行していた自家用トラックが積載していた鋳物約８個
（大きなもので高さ約１メートル）で、当該自家用トラックが中央分離帯に衝突した
際に落下した。
この事故の影響により、当該高速道路の一部区間が、午前６時１５分から午後０時５
０分まで通行止めとなった。

（19）トラックが前方を走行中の自動二輪車に追突した事故
８月１１日午後９時１５分頃、兵庫県の高速道路において、大型トラックが走行中、
前方を走行していた自動二輪車に追突した。
この事故により、追突された自動二輪車の乗員２名が死亡した。
事故当時、当該トラックの運転者は、荷下ろし先での順番等を考えながら走行してい
たため漫然運転となり、前方を走行していた当該自動二輪車に気付かず、ブレーキを
かけずに追突した模様。
なお、当該大型トラックの直後を走行していた乗合バスの運転者が、当該事故で路上
に投げ出された自動二輪車の乗員を轢過した可能性があるとして警察に長時間身柄を
拘束されたことから、当該バスの事業者は、当該乗合バスの運行を中止し、代替え輸
送を行った。

（20）トラックがキャンピング車に追突して４台が絡む多重衝突事故
８月１２日午前９時１５分頃、岐阜県の高速道路において、大型トラックが走行中、
渋滞のため減速していたキャンピング車に追突した。追突されたキャンピング車は、
前方の普通トラックに、さらにその普通トラックはその前方の乗用車に追突して、４
台が絡む多重衝突となった。
この事故により、１０名が軽傷を負った。
この事故は、最初に追突した大型トラックの運転者が脇見運転をして、前方で減速中
のキャンピング車に気付くのが遅れたため発生した模様。
この事故の影響で、当該道路は午前９時３５分から約４時間通行止めとなった。

（21）トラックが貸切バスに追突した事故
８月７日午前１時３０分頃、栃木県の高速道路において、トラックが走行中、停車中
の貸切バス(乗客３８名)に追突した。
この事故により、当該トラックの運転者が死亡、貸切バスの乗客１２名が軽傷を負っ
た。
事故直前、当該バスの運転者は、乗用車の運転者と運転マナーに関するトラブルが原
因で、当該バスは当該乗用車を前に走行車線上に停車中だった模様。
なお、この事故の影響で、一部区間が約４時間通行止めとなった。

（22）トレーラ運転者が救護義務違反の疑いで逮捕
８月１６日午前４時頃、群馬県の国道（片側２車線）において、大型トレーラが走行
中、前方の道路左側を走行していた自転車を追い越そうとしたところ、当該自転車の
後部に衝突し、転倒させて、当該自転車に乗っていた男性（５６才）を轢いた。事故
後、当該トレーラの運転者は、負傷者を救護せずにそのまま走行を続けた。
この事故により、轢かれた男性が死亡した。
目撃者からの通報を受けた警察は、当該トレーラの事業者に連絡をとり、当該トレー
ラの運転者を出頭させて、道路交通法違反（救護義務違反）の疑いで逮捕した。
なお、当該大型トレーラの運転者は、警察に対して、自転車の男性を轢いたことに気
付かなかったと話しており、この容疑についても否認している模様。

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