「事業用自動車安全通信」第108号(H23.8.5)

事業用自動車安全通信」第108号(H23.8.5)

=目 次=
1.重大事故等情報=6件(7月29日〜8月4日分)
(1)乗合バス運転者が覚せい剤取締法違反で逮捕
(2)貸切バスの車両火災事故
(3)タクシーが軽乗用車などに衝突した事故
(4)タクシーが道路を横断していた歩行者を撥ねた事故
(5)トラック運転者が酒気帯び運転で事故
(6)トラックが対向してきた乗用車と衝突した事故

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【1.重大事故等情報=6件】(7月29日〜8月4日分)

(1)乗合バス運転者が覚せい剤取締法違反で逮捕
7月31日午後11時50分頃、大阪府において、乗合バスの運転者が自家用車を運
転中、路上で急発進や車線変更を繰り返していたため、警察が職務質問したところ、
車内からガラス製の吸引器が発見された。その後の尿検査において覚醒剤使用の陽性
反応が出たため、警察は当該運転者を覚醒剤取締法(使用)違反で逮捕した。
当該運転者は、警察に対して、数年前からストレス解消の為に覚醒剤を使用してお
り、当日も出勤前に「あぶり」という方法で覚醒剤を使用したと話している模様。
なお、当該運転者は、同日の午後2時頃から約8時間30分の間に、乗合バスを運行
している。
当該運転者が勤務する事業者では、平成21年にも覚醒剤の不祥事があったことか
ら、同年に運転者等への尿検査を実施していたが、この検査において、当該運転者は
陰性だった。
また、同日に行われた当該運転者が所属する営業所の運行管理者による乗務前及び乗
務後の点呼において、異状は見受けられなかった模様。

(2)貸切バスの車両火災事故
7月31日午後3時30分頃、愛媛県の高速道路のトンネル内において、貸切バスが
乗客42名を乗せて運行中、乗客から焦げ臭いとの通報が当該バスの運転者にあり、
その直後に車内に煙が流入してきたため、当該バスの運転者は、トンネルの出口まで
走行し、路肩に停車して乗客を避難させた。避難から約10分後に車体後部のエンジ
ンルーム付近から出火した。
この事故による負傷者はなし。
当該火災は、当該バスの運転者が当該バスに備えられていた消火器で消火活動を行
い、また、偶然、当該バスの後方を走行していたNEXCOの職員も消火活動を行っ
たが当該バスは全焼した。
この事故の影響で、当該高速道路の一部区間が一時通行止めとなった。

(3)タクシーが軽乗用車などに衝突した事故
7月28日午後11時30分頃、千葉県において、個人タクシーが乗客1名を乗せて
運行中、信号待ちで停車していた軽乗用車に追突した。その後、当該タクシーは、約
1キロメートル走行を続け、信号機に衝突して停車した。
この事故により、当該タクシーの乗客が意識不明の重体、当該タクシーの運転者が軽
傷を負った。追突された軽乗用車の乗員に負傷者はなし。
なお、当該タクシーの運転者は、事故後の警察からの事情聴取に対して、「高血圧の
薬を飲んでいてボーッとしていた。」と話している模様。

(4)タクシーが道路を横断していた歩行者を撥ねた事故
7月29日午前2時5分頃、鹿児島県において、タクシーが空車で走行中、道路を横
断していた歩行者を撥ねた。
この事故により、撥ねられた歩行者が死亡した。
事故現場は、道路中央に路面電車の軌道がある片側三車線の直線道路で、歩行者の横
断禁止区域だった。
事故当時、当該タクシーの運転者は、当該道路の第二通行帯を走行していたところ、
当該道路を左から右へ横断していた歩行者に気付くのが遅れ撥ねた模様。
なお、事故現場周辺には街灯は設置されていなかった。

(5)トラック運転者が酒気帯び運転で事故
7月26日午後9時10分頃、新潟県において、トラックが走行中、狭い道に迷い込
んだため後退したところ、民家のブロック塀に衝突した。
この事故による負傷者はなし。
事故後、駆けつけた警察が当該トラックの運転者の酒気帯びの有無を確認したとこ
ろ、呼気中に基準値を超えるアルコールが検出されたが、当該トラックの運転者は、
同月28日に帰庫した際、所属する事業者に物損事故を起こしたことだけを報告し、
その日に自主退職した。
当該事業者は、8月3日、外部からの連絡により、当該トラックの運転者の酒気帯び
運転の事実を知った模様。
なお、当該トラックの運転者に対する、乗務前点呼の際に酒気帯びの有無を確認する
ために使用したアルコール検知器の結果では異状がなかった模様。

(6)トラックが対向してきた乗用車と衝突した事故
8月3日午前5時15分頃、北海道において、トラックが片側一車線の道路を走行
中、センターラインを越えて対向車線にはみ出したため、対向してきた乗用車と衝突
した。
この事故により、当該乗用車の乗員4名のうち、運転者と小学生2名の計3名が死亡
し、小学生1名が軽傷を負った。当該トラックの運転者も軽傷を負った。
事故現場は、当該トラックから見て、緩やかな左カーブで、この事故は、当該トラッ
クの運転者が居眠り(覚低)運転をしたことにより発生した模様。

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