「事業用自動車安全通信」第107号(H23.7.29)

事業用自動車安全通信」第107号(H23.7.29)

=目 次=
1.重大事故等情報=8件(7月22日〜7月28日分)
(1)乗合バスの車両火災事故
(2)貸切バスの運転者が酒気帯び運転で逮捕
(3)貸切バスが自転車に乗った学生を轢いた事故
(4)タクシーが乗客に奪われた事件1
(5)タクシーが乗客に奪われた事件2
(6)トラックが停車していた乗用車に追突した事故
(7)トラックが信号待ちの乗用車に追突した事故
(8)トラックが対向してきた乗用車と衝突した事故

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【1.重大事故等情報=8件】(7月22日〜7月28日分)

(1)乗合バスの車両火災事故
7月27日午後7時50分頃、熊本県において、乗合バスが終点のバス停で乗客を全
員降車させ、発車しようとしたところ、当該バスのエンジンルームより出火し、この
エンジンルーム内が焼損した。
この事故による負傷者はなし。
事故当時、当該バスの運転者は、当該バス停で降車した乗客が当該バスの後部付近を
見ていたため、不審に思い当該バスの後部を確認したところ、エンジンルームからの
発煙を確認した。このため、当該バスの運転者は、当該バスに備え付けられていた消
火器で消火作業を行ったが火は消えず、当該バス停で降車した乗客からの通報を受
け、約5分後に現場に駆けつけた消防の消火作業により鎮火した。
なお、当該バスの運転者は、当該バス停の一つ前のバス停において、車内から軽油
臭いがしたと話している模様。

(2)貸切バスの運転者が酒気帯び運転で逮捕
7月22日午前5時30分頃、福島県において、貸切バス2両が乗客を乗せるため回
送運行中、所属営業所を出発し、約200メートル走行したところで、当該バス2両
の運転者は酒気帯び運転の疑いで警察に逮捕された。
この運行による事故はなし。
当該バス2両の運転者は、前日の午後10時30分頃まで一緒に飲酒していた模様。
なお、当該バス2両の運転者は、所属営業所の運行管理者が食事のため当該営業所を
離れた間に、対面による点呼を受けずに出発した模様。

(3)貸切バスが自転車に乗った学生を轢いた事故
7月27日午前10時30分頃、宮城県において、貸切バスが乗客43名を乗せて運
行中、自転車に乗った学生を轢いた。
この事故により、当該学生が死亡した。当該バスの乗客及び運転者に負傷はなし。
事故現場付近は、カーブが続く見通しが悪い道路で、事故当時、当該バスは時速約2
0キロメートルで右カーブの上り坂を走行していたところ、対向からきた当該自転車
が、カーブ付近で当該バスに気付き、減速しようとしたがバランスを崩し転倒、当該
バスの右後輪の前方付近に衝突し、轢かれた模様。
当該バスの運転者は、当該事故の発生前にも自転車競技の練習のために走行している
複数の自転車とすれ違っていたことから、事故当時、注意して走行していたが、突然
だったため事故を回避できなかった模様。

(4)タクシーが乗客に奪われた事件1
7月24日午前2時10分頃、愛知県において、タクシーが乗客の指示した目的地に
向かい運行中、当該乗客が最初に指示した目的地とは異なる方向へ曲がるよう指示し
たので、疑問に思った当該タクシーの運転者が当該乗客に確認したところ、当該乗客
から顔を殴られた。その後、当該乗客は当該タクシーを奪い、逃走した。
この事件により、当該タクシーの運転者が軽症を負った。
当該タクシーの運転者は、警察に通報し、警察が捜査したところ、約9キロメートル
離れた場所で停車中の奪われたタクシーを発見し、その場にいた当該乗客を強盗致傷
容疑で緊急逮捕した。
なお、当該乗客はかなり酒に酔っていた模様。

(5)タクシーが乗客に奪われた事件2
7月26日午後11時10分頃、福岡県において、タクシーが乗客(外国人男性、2
6才)を乗せて運行中、当該タクシーの運転者は当該乗客に頭部を殴られた。
この事件により、当該タクシーの運転者が頭蓋骨骨折の重傷を負った。
その後、当該乗客は当該タクシーを奪い逃走したが、当該タクシーにはGPS(全地
球測位システム)が搭載されており、当該タクシーの追跡が可能であったため、警察
は緊急配備を敷き、当該乗客の身柄を確保した。
なお、当該車両には、運転者席後部の防犯用仕切板は設置されていなかった。

(6)トラックが停車していた乗用車に追突した事故
7月25日午後3時頃、愛媛県の高速道路(片側一車線)において、中型トラックが
走行中、前方を走行していた乗用車に追突した。このはずみで、追突された当該乗用
車は、対向車線にはみ出したため、対向してきた大型トラックと衝突し、さらにガー
ドレールを突き破り道路外に逸脱した。
この事故により、当該乗用車に乗っていた家族5名のうち、母親と生後間もない次女
が死亡、父親と長女(2才)が重傷、長男(4才)が軽傷を負った。
事故当時、当該道路は工事中で片側交互通行となっており、当該乗用車が停車中のと
ころに当該中型トラックが追突した模様。
なお、報道によると、当該中型トラックの運転者は「右ドアのポケットのたばこを取
ろうとして、前をよく見ていなかった」と供述している模様。
警察は、当該中型トラックの運転者を自動車運転過失致死の疑いで現行犯逮捕した。
当該道路は、この事故の影響により、一部の区間で約7時間通行止めとなった。

(7)トラックが信号待ちの乗用車に追突した事故
7月26日午前5時10分頃、愛知県において、大型トラックが走行中、信号待ちの
ため停車していた乗用車に追突した。このはずみで、当該乗用車は、当該乗用車の前
方に停車していた中型トラックに追突、さらに当該中型トラックは当該中型トラック
の前に停車していたタンク車に追突し、計4台が絡む多重事故となった。
この事故により、当該乗用車が大破、炎上し、当該乗用車の運転者が死亡した。
事故現場は、見通しのよい片側二車線の直線道路で、警察によると事故現場に当該大
型トラックのブレーキ痕はなかった模様。

(8)トラックが対向してきた乗用車と衝突した事故
7月27日午後3時55分頃、福井県において、大型トラックが走行中、対向してき
た乗用車と衝突した。
この事故により、当該乗用車の乗員5名のうち4名が死亡し、1名が重傷、当該大型
トラックの運転者が軽傷を負った。
事故現場は、片側一車線の当該大型トラックから見て上りの急な右カーブで、事故
は、対向してきた乗用車がセンターラインを越えて走行してきたため発生した模様。
なお、事故当時、路面は雨で濡れていた。

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