「事業用自動車安全通信」第106号(H23.7.22)

事業用自動車安全通信」第106号(H23.7.22)

=目 次=
1.重大事故等情報=10件(7月15日〜7月21日分)
(1)乗合バスの車内事故1
(2)乗合バスの車内事故2
(3)乗合バスが交差点で路面電車接触した事故
(4)乗合バスが対向してきた乗用車と衝突した事故
(5)貸切バスが対向してきたトラックと衝突した事故
(6)貸切バスが対向してきたワゴン車と衝突した事故
(7)貸切バスが転倒したオートバイの運転者を轢いた事故
(8)タクシーが道路を横断中の歩行者を撥ねた事故
(9)タクシー運転者が救護義務違反の疑いで逮捕
(10)トラックが交差点で乗用車と衝突した事故

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【1.重大事故等情報=10件】(7月15日〜7月21日分)

(1)乗合バスの車内事故1
7月13日午前9時5分頃、和歌山県において、乗合バスが乗客8名を乗せて運行
中、バス停で降車扱い後発車したところ、当該バス停で降車しようとしていた乗客2
名のうち1名(女性、82才)が転倒した。
この事故により、転倒した乗客が左骨盤を骨折する重傷を負った。
事故当時、当該バスの運転者は、当該バス停で乗客1名を降車させた後、発車する際
のアナウンスを行って発車したが、当該バス停で降車するために当該バスの車内後方
から降車扉に向かい歩いていた乗客2名に気付かなかった模様。

(2)乗合バスの車内事故2
7月16日午後7時頃、鹿児島県において、乗合バスが乗客13名を乗せて運行中、
バス停に停車するために減速したところ、乗客1名(男性、78才)が転倒した。
この事故により、転倒した乗客が意識不明の重体。
事故現場は、片側一車線の緩やかな下り坂であり、事故当時、転倒した乗客は、運転
席側の列の前から4番目の座席に着席していたが、座席脇に置いてあったキャスター
付きの手荷物が走行中の振動等により車室内前方に移動したため、当該手荷物を取り
に座席を立ったところバランスを崩し転倒した模様。

(3)乗合バスが交差点で路面電車接触した事故
7月19日午後3時15分頃、富山県において、乗合バスが乗客2名を乗せて運行
中、交差点で右折待ちのため停車していたところ、後方から来た路面電車接触
た。
この事故による負傷者はなし。
事故現場は、片側一車線の信号機のある交差点で、この事故は、当該乗合バスの運転
者が、当該バスの対向からくる車両及び後方から接近してくる路面電車の状況をよく
確認せず、停止線を越えて当該路面電車の軌道上に進入し、停車したため発生した模
様。
なお、当該路面電車の運転者は、当該バスが軌道内に停車していることに気付き、ブ
レーキを掛けたが、間に合わなかった模様。

(4)乗合バスが対向してきた乗用車と衝突した事故
7月20日午後3時40分頃、島根県において、乗合バスが乗客6名を乗せて運行
中、対向してきた乗用車と衝突した。
この事故により、当該乗用車の後部座席に乗車していた乗員1名が死亡、当該乗用車
の運転者が重傷、当該バスの乗客1名が軽傷を負った。
事故現場は、片側一車線の道路で、当該バスから見て緩やかな右カーブであり、この
事故は、当該乗用車がセンターラインを越えて走行してきたため発生した模様。
事故当時、当該道路の路面は雨で濡れていた。

(5)貸切バスが対向してきたトラックと衝突した事故
7月17日午後4時55分頃、北海道において、貸切バスが回送運行中、対向してき
た自家用トラックと衝突した。
この事故により、対向してきたトラックの運転者と助手席の乗員の計2名が死亡し、
当該バスの運転者が重傷を負った。
事故現場は、片側一車線の道路で、当該バスから見て緩やかな右カーブであり、この
事故は、対向してきたトラックがセンターラインを越えて走行してきたため発生した
模様。

(6)貸切バスが対向してきたワゴン車と衝突した事故
7月19日午前7時頃、宮城県において、貸切バスが回送運行中、対向してきたワゴ
ン車がセンターラインを越えてきたため、当該バスの正面右側に衝突した。
この事故により、当該ワゴン車の運転者が全身を強く打って死亡し、当該バスの運転
者が手足を打撲し、割れたガラスにより軽傷を負った。
事故現場は、当該バスから見て緩い右カーブで、当該ワゴン車のブレーキ痕はなかっ
た模様。
なお、事故当時の天候は晴れていた。

(7)貸切バスが転倒したオートバイの運転者を轢いた事故
7月19日午前8時15分頃、大阪府において、貸切バスが乗客40名を乗せ運行
中、転倒したオートバイの運転者を轢いた。
この事故により、轢かれた運転者が死亡した。
事故現場は、右折専用車線がある片側二車線の道路であり、事故直前、当該バスの左
後方で発生した当該オートバイと乗用車の衝突により、当該オートバイが転倒し、こ
の運転者が当該貸切バスの左後輪の前に滑り込んだところに、右折待ちのために右折
専用車線で停車していた当該バスが右折を開始したため発生した模様。

(8)タクシーが道路を横断中の歩行者を撥ねた事故
7月16日午前2時5分頃、鳥取県において、タクシーが乗客1名を乗せて運行中、
歩行者を撥ねた。
この事故により、撥ねられた歩行者が死亡した。当該タクシーの運転者及び乗客に負
傷はなし。
事故現場は、横断歩道のない片側二車線の直線道路(中央分離帯なし)で、当該タク
シーの運転者は、道路を右から左へ横断している歩行者に気付いたため、ブレーキを
かけたが間に合わなかった模様。

(9)タクシー運転者が救護義務違反の疑いで逮捕
7月18日午後7時頃、神奈川県おいて、タクシーが交差点を右折しようとしたとこ
ろ、横断歩道を渡っていた歩行者を撥ね、そのまま走り去った。
この事故により、撥ねられた歩行者が大腿骨骨折の重傷を負った。
事故後、当該タクシーの運転者は、事故現場に戻り、現場にいた警察官に対して、自
分は目撃者であるなどの申告していたが、他の目撃者の証言を受け、警察官が当該タ
クシーの運転者に事実確認をしたところ、事故の事実を認めたため、当該タクシーの
運転者は道路交通法違反(救護義務違反)の疑いで逮捕された。

(10)トラックが交差点で乗用車と衝突した事故
7月15日午後10時55分頃、岡山県において、トラックが交差点を通過しようと
したところ、当該交差点に進入してきた乗用車と衝突した。
この事故により、乗用車の乗員4名のうち2名が死亡し、2名が重傷、当該トラック
の運転者に負傷はなし。
事故当時、当該トラックが走行していた道路の信号は黄色の点滅であり、乗用車が走
行していた道路の信号は赤色の点滅であった模様。

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