「事業用自動車安全通信」第101号(H23.6.17)

事業用自動車安全通信」第101号(H23.6.17)

=目 次=
1.重大事故情報=11件(6月10日〜6月16日分)
(1)タクシーが路上に倒れていた男性を轢いた事故
(2)タクシー運転者の飲酒による事故
(3)タクシーが奪われた事件
(4)タクシーが路上の歩行者を轢いた事故
(5)タクシーが路上に倒れていた男性を轢いた事故
(6)介護タクシーから車椅子の乗客が転落した事故
(7)トラックの運転者の酒気帯び運転による事故
(8)ダンプカーの運転者の酒気帯び運転による事故
(9)トラックが交差点で乗用車と衝突した事故
(10)トラックが渋滞の車列に追突した事故
(11)トラックが対向してきた自家用トラックと衝突、炎上した事故

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
【1.重大事故情報=11件】(6月10日〜6月16日分)

(1)タクシーが路上に倒れていた男性を轢いた事故
6月9日午前0時35分頃、埼玉県において、タクシーが運行中、道路上に倒れてい
た男性(31才)を轢いた。
この事故により、轢かれた男性は死亡した。
事故現場は、片側一車線の道路で、事故当時、倒れていた男性の近くには吐瀉物が
あったことから、飲酒や病気など何らかの理由によりおう吐して倒れていた模様。

(2)タクシー運転者の飲酒による事故
6月9日午後7時頃、埼玉県において、タクシーが運行中、交差点を通過後に左側路
肩に乗り上げ街路樹に衝突した。
この事故による負傷者はなし。
事故後、警察による現場検証の際、当該タクシーの運転者は酩酊状態であった。
事故当日の乗務前点呼において、当該タクシーの運転者は、酒気を帯びているなどの
異常は認められなかったが、乗務の途中でワインを飲んだ模様。

(3)タクシーが奪われた事件
6月10日午前6時35分頃、大阪府において、乗客を乗せたタクシーが目的地に到
着し、当該タクシーの運転者が眠っていた乗客を起こしていたところ、当該乗客は急
に怒り出して当該タクシーの運転者に殴りかかった。当該タクシーの運転者は、身の
危険を感じたため車外に逃げたところ、この乗客は当該タクシーを奪って逃走した。
この事件により、当該タクシーの運転者は唇を切るなどの軽傷を負った。
警察は、現場に落ちていた運転免許証から、この乗客の自宅を警戒していたところ、
犯行から約30分後に帰宅したため、この乗客を現行犯逮捕した。
なお、当該タクシーは、現場から約1.1キロメートル先の路上で乗り捨てられてい
たが、損傷等はなし。

(4)タクシーが路上の歩行者を轢いた事故
6月10日午後7時45分、兵庫県の片側四車線の道路において、タクシーが乗客1
名を乗せて運行中、道路を左から横断していた歩行者を轢いた。
この事故により、轢かれた歩行者は死亡した。当該タクシーの運転者と乗客に負傷は
なし。
事故当時、当該歩行者は、横断歩道のない道路を横断していたが、当該タクシーに気
付き、後ずさりした際に滑って転倒したところを轢かれた模様。
事故当時の天気は雨で、現場は薄暗かった。

(5)タクシーが路上に倒れていた男性を轢いた事故
6月11日午前0時5分頃、秋田県において、タクシーが片側二車線の見通しの良い
直線道路を走行中、路上に倒れていた男性を轢いた。
この事故により、この男性は病院に搬送されたが、約1時間後に死亡した。
現場の道路の制限速度は時速40kmであったが、当該タクシーの運転者は、時速5
0km前後で走行し、第二通行帯から第一通行帯へ車線変更したところ、当該車線の
中央に倒れていた男性に気付いたため、ブレーキをかけたが間に合わなかった模様。
現場周辺は、街灯が設置されているが、節電のために一部消灯されて暗い状況で、当
該タクシーのヘッドライトは下向きの状態であった模様。
また、当該タクシーには、ドライブレコーダーは装着されていたが作動していなかっ
た。

(6)介護タクシーから車椅子の乗客が転落した事故
3月11日午後3時45分頃、新潟県の民家において、タクシーが車椅子の乗客(男
性、73才)を降車させようとしたところ、当該乗客が転落した。
この事故により、当該乗客が急性硬膜下血腫、頭蓋骨骨折、左脛骨高原骨折の重傷を
負った。
当該タクシーは、車椅子乗降スロープ付きの介護タクシーであり、事故当時、当該タ
クシーの運転者は、車椅子乗降スロープを掛け、車椅子固定装置を解除した状態で当
該乗客の自宅玄関にスロープを掛ける作業をしていたところ、車椅子がスロープを下
りだし、車椅子ごとスロープより転落した模様
なお、当該乗客の親族が介助人として付き添っていたが、当該タクシーの運転者と一
緒に自宅玄関のスロープを掛ける作業をしていた模様。

(7)トラックの運転者の酒気帯び運転による事故
6月4日午後6時15分頃、三重県の東名阪亀山料金所において、トラックが、当該
料金所の直前で、一般レーンへの進入路からETCレーンの進入路に急遽移動しよう
と急ハンドルをきったところ、レーンの間に設置してあった電光掲示板に接触した
が、当該トラックは停車せずにそのまま走行を続けた。
同日午後7時5分頃、当該トラックの運転者は、警察による当該接触事故に係わる検
問で事情聴取を受けた際に、酒気帯び状態であることが確認された。
この事故による負傷者はなし。
当該トラックの運転者は、同日午後1時頃、東名高速道路日本平パーキングエリア
で仮眠をとる際、事前に買いおきしていた日本酒1.5合を飲酒した模様。

(8)ダンプカーの運転者の酒気帯び運転による事故
6月11日午前10時10分頃、岩手県において、ダンプカーが駐車中の軽自動車に
接触してそのまま立ち去ったため、目撃していた当該軽自動車の運転者は警察に通報
した。警察が当該ダンプカーを発見し、当該ダンプカーの運転者に対して事情聴取し
た際に酒気帯びの有無を確認したところ、呼気中に基準値を超えるアルコールが検出
された。
この事故による負傷者はなし。
当該運転者は、同日午前2時頃まで飲酒していた。
当該ダンプカーを使用する運送事業者の代表者は、当該運転者に対して行った対面点
呼の際に、アルコール検知器を使用した酒気帯びの有無の確認等を行っていなかった
模様。
なお、この代表者は運行管理者または運行管理の補助者に選任されていない模様。

(9)トラックが交差点で乗用車と衝突した事故
6月13日午前4時30分頃、大阪府において、トラック(粉流体運搬車)が交差点
を通過しようとしたところ、右側からきた乗用車(2名乗車)と衝突した。
この事故により、衝突した乗用車の乗員2名が死亡した。
当該トラックは衝突後、当該乗用車を下敷きにしたまま約15メートル走行して道路
脇に停車した。

(10)トラックが渋滞の車列に追突した事故
6月13日午前11時頃、大阪府の高速道路において、大型トラックが走行中、渋滞
により停車していた車列の最後尾に追突し、6台の車両が絡む多重衝突となった。
この事故により、当該大型トラックを含む5台が炎上し、2名が死亡、3名が重傷を
負い、当該大型貨物車の運転者が軽傷を負った。
当該トラックの運転者は、居眠り運転だった模様。

(11)トラックが対向してきた自家用トラックと衝突、炎上した事故
6月13日午後5時50分頃、群馬県において、トラックが走行中、対向してきた自
家用トラックと衝突し、その後、この2台は炎上した。
この事故により、当該トラックの運転者が死亡し、自家用トラックの運転者が軽傷を
負った。
事故現場は、当該トラックから見て上りの右カーブで、事故当時、当該自家用トラッ
クの運転者は、当該自家用トラックがセンターラインを越えて対向車線にはみ出した
ため、対向してきたトラックとの衝突を避けようとして急ハンドルを切ったところ、
当該自家用トラックは横転し、対向してきたトラックに衝突して、横転させた後、衝
突されたトラックとともに炎上した。
なお、当該自家用トラックは過積載をしていた模様(積載量2900kgのところ50
00kg以上積載。積荷:木材)

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇