「事業用自動車安全通信」第102号(H23.6.24)

事業用自動車安全通信」第102号(H23.6.24)

=目 次=
1.重大事故情報=9件(6月17日〜6月23日分)
(1)乗合バスの車内事故
(2)貸切バスが対向してきた軽乗用車と衝突した事故
(3)タクシーが交差点で乗合バスなどに接触した事故
(4)タクシーが対向してきた乗用車と衝突した事故
(5)タクシー運転者の酒気帯び運転による事故
(6)タクシーが道路を横断中の歩行者を撥ねた事故
(7)トラックが交差点で乗用車と衝突した事故
(8)トラック運転者の酒気帯び運転による事故
(9)トラックが快速電車と衝突した事故

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【1.重大事故情報=9件】(6月17日〜6月23日分)

(1)乗合バスの車内事故
6月14日午前11時40分頃、山口県のバス停において、乗合バスが乗客2名を降
車させて発車したが、当該バスの運転者が「降ります」の声を聞いたため、当該バス
を停車させたところ、乗客(女性、83才)が転倒した。
この事故により、転倒した乗客は脊柱にヒビの入る重傷を負った。
事故当時、転倒した乗客は、当該バス停に当該バスが停車したため、降車しようと座
席を立ったが、当該バスの運転者は、車内をよく確認していなかったため、当該乗客
が降りようとしていたことに気付かなかった模様。
当該バスは、ドライブレコーダーを装着していたが、乗客が転倒した映像は映ってい
なかった。

(2)貸切バスが対向してきた軽乗用車と衝突した事故
6月18日午後5時頃、福岡県において、貸切バスが乗客11名を乗せて運行中、対
向してきた軽乗用車と正面衝突した。
この事故により、軽乗用車の運転者が腰の骨などを折る重傷を負い、貸切バスの運転
者と乗客11名が打撲などの軽傷を負った。
事故現場は、片側一車線の当該バスから見て緩い右カーブで、事故当時、当該バスの
運転者は、対向してくる当該軽乗用車に気付いたため、減速して道路左側に当該バス
を寄せたが、当該軽乗用車はセンターラインを越えて減速せずに衝突してきた模様。

(3)タクシーが交差点で乗合バスなどに接触した事故
6月15日午後0時30頃、北海道の交差点において、タクシーが乗客1名を乗せて
運行中、乗合バスに接触し、そのはずみで店舗等に接触した後、フェンスに衝突して
停止した。
この事故により、当該タクシーの乗客が右手首(尺骨)骨折の重傷を負った。
当該乗合バスの乗客及び運転者に負傷はなし。
事故現場の交差点には、当該タクシー側に一時停止の標識があったが、事故当時、当
該タクシーは、一時停止を行わずに当該交差点に進入した模様。

(4)タクシーが対向してきた乗用車と衝突した事故
6月15日午後2時50分頃、熊本県において、福祉タクシーが助手席に乗客1名を
乗せて運行中、対向してきた乗用車と正面衝突した。
この事故により、当該タクシーの乗客が胸などを打ち、約6時間後に死亡し、当該タ
クシーの運転者は軽傷を負った。
事故現場は、片側一車線の直線道路で、事故当時、衝突した乗用車は、センターライ
ンを越えて走行していた模様。

(5)タクシー運転者の酒気帯び運転による事故
6月16日午後6時20分頃、大分県において、タクシーが乗客1名を乗せて運行
中、前方を走行していた軽自動車と接触した。
この事故による負傷者はなし。
接触後、当該軽自動車の運転者とトラブルになったため、当該タクシーの運転者は警
察に通報したが、事故現場に駆けつけた警察は、当該タクシーの運転者から酒の臭い
がしたため、当該タクシーの運転者の呼気を確認したところ、呼気1リットル当たり
0.35ミリグラムのアルコールが検出されたため、当該タクシーの運転者を道路交
通法違反(酒気帯び運転)の容疑で現行犯逮捕した。

(6)タクシーが道路を横断中の歩行者を撥ねた事故
6月18日午前0時30分頃、静岡県において、タクシーが空車にて運行中、前方に
右側から左側へ道路を横断している歩行者を撥ねた。
この事故により、撥ねられた歩行者が死亡した。
事故現場は、周囲が暗い片道一車線の道路で、横断歩道から約10メートル先の道路
であった模様。
事故当時、当該タクシーの運転者は、ヘッドライトをハイビ−ムにして走行していた
が、事故の直前に車内のナビゲーションシステムを操作しており、前方不注意であっ
たため、当該歩行者を発見した際にハンドルを右に切ってこの歩行者を避けようとし
たが間に合わなかった模様。

(7)トラックが交差点で乗用車と衝突した事故
6月17日午後11時20分頃、徳島県において、大型トラックが交差点を通過しよ
うとしたところ、左側から当該交差点に進入してきた乗用車(3名乗車)が衝突し
た。
この事故により、当該乗用車の乗員2名が死亡、1名が軽傷。当該トラックの運転者
も軽傷を負った。
事故現場の交差点は、当該トラック側の信号が黄色の点滅信号で、乗用車側の信号が
赤色の点滅信号であったが、乗用車は一時停止を行わずに当該交差点に進入して当該
トラックの左後輪付近に衝突した模様。

(8)トラック運転者の酒気帯び運転による事故
6月18日午前5時30分頃、埼玉県において、トラックが走行中、信号待ちのため
に停車していたトレーラに追突した。
この事故による負傷者はなし。
事故後に実施された警察による現場検証の際、当該トラックの運転者から酒の臭いが
したため、アルコール検知器を用いて酒気帯びの有無を確認したところ、当該トラッ
クの運転者から、呼気1リットル中0.15ミリグラムのアルコールが検出されたた
め、当該トラックの運転者は、道路交通法違反(酒気帯び運転)の疑いで現行犯逮捕
された。
当該トラックの運転者は、前日(17日)午後10時頃から2時間ほど自宅で焼酎を
数杯飲み、同日午前4時40分に営業所に出勤した。その後、本来は運行管理者と対
面で行うべき点呼を電話で済まして出庫したが、その際にアルコール検知器を用いた
酒気帯びの有無の確認は行っていなかった模様。

(9)トラックが快速電車と衝突した事故
6月21日午前7時30分頃、広島県の踏切において、トラックが快速電車(4両編
成)と衝突した。
この事故により、当該トラックの運転者は死亡した。当該電車の乗客約500人に負
傷はない模様。
事故当時、当該踏切(第一種、障害物検知装置付)は、正常に作動しており、遮断桿
の破損はなかった。
この事故の影響で、路線の一部区間(上下線)の電車が約4時間半運休した。

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