「事業用自動車安全通信」第99号(H23.6.3)

事業用自動車安全通信」第99号(H23.6.3)

=目 次=
1.重大事故情報=4件(5月27日〜6月2日分)
(1)乗合バスが交差点で歩行者を撥ねた事故
(2)タクシーが水田に転落した事故
(3)タクシーが道路上の男性を撥ねた事故
(4)タクシーが中央分離帯に衝突して横転した事故
2.「重大事故情報」のその後
(1)車道に座っている歩行者を撥ねた事故(平成21年12月18日送付分)
(2)貸切バスの車両火災事故(平成23年2月18日送付分)

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【1.重大事故情報=4件】(5月27日〜6月2日分)

(1)乗合バスが交差点で歩行者を撥ねた事故
5月31日午前8時5分頃、大阪府において、乗合バスが乗客40名を乗せて運行
中、交差点を直進しようとしたところ、横断歩道を渡っていた歩行者を撥ねた。
この事故により、撥ねられた歩行者が頭部打撲の重傷を負った(入院1ヶ月)。
事故当時、当該乗合バスは、片側三車線の道路の第一通行帯を走行し、黄色信号で当
該交差点に進入した模様。
なお、当該乗合バスにはドライブレコーダが装着されていたが、現在警察に押収され
ている。

(2)タクシーが水田に転落した事故
5月27日午前4時40分頃、徳島県において、タクシーが空車で運行中、当該タク
シーの運転者が道路左側から飛び出してきた動物を発見し、これを避けようとハンド
ルを右にきったところ、当該タクシーは、対向車線を越えて歩道のガードパイプや看
板を倒した後、道路を逸脱して1.5m下の水田に転落した。
この事故により、当該タクシーの運転者(54才)は入院していたが、同月30日に
死亡した。
なお、当該事故において、当該タクシーの運転者は外見上負傷していないように見え
たが、事故の際にどこか打っている可能性があるとして、医師が当該タクシーの運転
者を入院させていたところ、容態が急変した模様。
事故当時、雨が降っていた模様。

(3)タクシーが道路上の男性を撥ねた事故
5月27日午後10時20分頃、愛知県において、タクシーが空車にて片側四車線の
直線道路の第三通行帯を走行していたところ、当該タクシーの運転者が、道路上で当
該タクシーに背を向けて立っていた男性(69才)に気付いたためブレーキをかけた
が、当該男性を撥ねた。
この事故により、撥ねられた男性は死亡した。
事故当時、雨が降っていた模様。

(4)タクシーが中央分離帯に衝突して横転した事故
5月29日午前0時25分頃、大阪府において、タクシーが乗客1名を乗せて走行
中、中央分離帯に衝突して横転した。
この事故により、当該タクシーの乗客1名が軽傷を負った。
事故現場は、片側三車線の直線道路で、事故当時、当該タクシーの運転者は、目的地
のホテルを探しながら走行していたため、脇見運転となった模様。

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【2.「重大事故情報」のその後】
* 以前にこのメルマガで紹介した重大事故情報のその後の情報をお知らせします。

(1)車道に座っている歩行者を撥ねた事故(平成21年12月18日送付分)
=事故概要=
12月15日午後8時頃、北海道で、当該タクシーが片側2車線の左側を走行してい
たところ、タクシー運転者が車道に座っている歩行者を発見したが、発見が遅れたた
めに歩行者を撥ねた。
この事故により、歩行者は死亡した。
=その後の情報=
事故の原因としては、「前方不注意(乗務員は、まさか路上に歩行者が座り込んでい
ると思わなかった。)」とされている。また、当時の状況として、「進路の前方左右
を注視し、進路の安全を確認しつつ進行すべき自動車運転上の注意義務があるのにこ
れを怠り、進路遠方に停止していたタクシーの動静ばかり気を奪われ、前方注視を
怠ったまま漫然」と運行したものとされている。
また、運送事業者に対して監査を実施したところ、事業用自動車の運転者に対して運
行の安全及び旅客の安全を確保するために必要な運行に関する技能及び知識を習得さ
せること等に関する指導監督義務違反のほか、乗務員台帳の記載事項不備違反等が確
認されたため、45日車の車両使用停止処分を行った。

(2)貸切バスの車両火災事故(平成23年2月18日送付分)
=事故概要=
2月16日午前9時20分頃、千葉県において、貸切バスが乗員乗客22名を乗せて
運行中、赤信号で停車したところ、当該バスの後輪部分から出火した。
この火災により、当該バスの後輪タイヤが焼損したが、乗員乗客は避難したため、負
傷者はなし。
当該火災は、駆けつけた消防により消火された。
当該バスは、赤信号で停車しようとしたところ、当該バスの右後輪付近から異音が
し、さらに停車後、左後輪付近からも異音がし、その後左右後輪部分から出火した模
様。
=その後の情報=
車両の販売会社が調査した結果、火災の原因は、運転者が駐車ブレーキ(スプリング
ブレーキ)を解除せずに走行したことにより、ブレーキの引きずりとなり、ブレーキ
ライニングとブレーキドラムの摩擦熱によって火災に至ったものと判断された。
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