「事業用自動車安全通信」第96号(H23.5.13)

事業用自動車安全通信」第96号(H23.5.13)

=目 次=
1.重大事故情報=14件(4月28日〜5月12日分)
(1)乗合バスの車内事故1
(2)乗合バスが交差点で原動機付自転車と衝突した事故
(3)乗合バスの車内事故2
(4)乗合バスが対向してきた軽トラックと衝突した事故
(5)乗合バスが交差点で軽自動車と衝突した事故
(6)乗合バスが乗用車などに追突した事故
(7)乗合バスの車内事故3
(8)乗合バスが対向してきたタクシーと衝突した事故
(9)タクシーが交差点で車両と衝突した事故
(10)タクシーの車両火災事故
(11)タクシーが奪われた事件1
(12)タクシー運転者の健康起因事故
(13)タクシーが奪われた事件2
(14)トラック運転者が救護義務違反の疑いで逮捕

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【1.重大事故情報=14件】(4月28日〜5月12日分)

(1)乗合バスの車内事故1
4月14日午後2時40分頃、石川県において、乗合バスが乗客4名を乗せて運行
中、乗降扱いのため停車しようとしていたバス停に、先行のバスが停車し、その後ろ
に乗用車が停車していたため、この乗用車の後ろに停止した後、発車したところ、車
内中央部で乗客が(女性、84才)が転倒した。
この事故により、転倒した乗客は、胸椎圧迫骨折の重傷を負った。他の乗客にケガは
なし。
事故当時、転倒した乗客は、次のバス停で降車するため席を立ち上がっていた模様。
なお、当該バスの運転者は、発車の際に「発車します」と車内アナウンスを行った模
様。

(2)乗合バスが交差点で原動機付自転車と衝突した事故
4月27日午前10時35分頃、長崎県において、乗合バスが乗客18名を乗せて運
行中、交差点を青信号で通過しようとしたところ、左から走行してきた原動機付自転
車と衝突した。
この事故により、衝突した原動機付自転車を運転していた女性が病院に搬送された
が、3時間半後に死亡した。バスの運転者と乗客に負傷はなし。
事故現場は、片側二車線の市道と細い道との交差点で、市道を横断するための信号機
は歩行者用のみであり、細い道側には一時停止の規制があった。
事故当時、当該バスは、当該交差点において、市道の第二車線を青信号で直進しよう
としたところ、当該交差点の左側の細い道から当該原動機付自転車が、一旦停止した
後、当該バスの直前に進入してきた模様。

(3)乗合バスの車内事故2
4月27日午後2時20分頃、青森県において、乗合バスが乗客6名を乗せて運行
中、降車扱いのためバス停に停車し、乗客1名を降ろして発車したところ、降車のた
め車内を移動していた乗客(女性、77才)が転倒した。
この事故により、転倒した乗客は、腰椎圧迫骨折で全治6週間の重傷を負った。
事故当時、当該バスの運転者は、当該バス停で乗客1名を降車させたあと、他に降車
する乗客はいないと思い、車内をよく確認せずに発車させた模様。

(4)乗合バスが対向してきた軽トラックと衝突した事故
4月28日午後2時50分頃、長野県において、乗合バスが回送運行中、センターラ
インを越えて対向してきた軽トラックと衝突した。
この事故により、軽トラックの運転者が死亡、同乗者1名が軽傷を負った。
事故現場は、当該バスから見て右曲りの道路で、事故当時、路面は乾燥していた模
様。

(5)乗合バスが交差点で軽自動車と衝突した事故
5月3日午後7時頃、宮城県において、乗合バスが乗客1名を乗せて運行中、交差点
を青信号で通過しようとしたところ、センターラインを越えて対向してきた軽自動車
と衝突した。
この事故により、当該軽自動車の運転者(男性、80才)は、病院に搬送されたが死亡
し、当該バスの乗客1名が軽傷を負った。

(6)乗合バスが乗用車などに追突した事故
5月4日午後1時40分頃、大阪府の高速道路において、乗合バスが乗客27名を乗
せて運行中、渋滞で停車していた乗用車に追突した。当該乗用車は追突されたはずみ
で前方の車両に衝突するなどして計4台が絡む多重衝突事故となった。
この事故により、当該バスの乗客4名を含め計10名が軽傷を負った。

(7)乗合バスの車内事故3
5月8日午後3時10分頃、愛媛県において、乗合バスが乗客4名を乗せて運行中、
降車扱いのためバス停で停車しようとしたところ、当該バス停で降車しようとした乗
客1名が転倒した。
この事故により、転倒した乗客(男性、79才)が腰骨骨折の重傷を負った。
事故当時、転倒した乗客は、当該バスが停車する前に両手に荷物を持ち席を立ったた
め、バランスを崩して転倒した模様。

(8)乗合バスが対向してきたタクシーと衝突した事故
5月9日午前10時10分頃、石川県において、乗合バス(乗客なし)が対向してき
たタクシーと衝突した。
この事故により、当該タクシーの乗客1名が左足骨折の重傷、当該タクシーの運転者
が軽傷を負った。
事故現場は、当該バスから見て下りの左急カーブ(片側二車線)で、事故当時、当該
バスは左側の車線を走行中であったが、対向してきたタクシーがセンターラインを越
え、当該バスの走行していた車線まではみ出したため、当該バスの左前面と当該タク
シーの左前面が衝突した模様。

(9)タクシーが交差点で車両と衝突した事故
4月27日午前10時50分頃、佐賀県において、タクシーが乗客1名(女性、78
才)を乗せて運行中、青信号で交差点を通過しようとしたところ、右側から当該交差
点に進入してきた車両と衝突した。
この事故により、当該タクシーの乗客が左足膝下を骨折の重傷、当該タクシーの運転
者が打撲等で加療5日間の傷害を負った。
事故現場は、交差する道路の信号は歩行者用のみで、当該タクシーは、青信号で交差
点に差しかかったところ、対向車線から右折する対向車両を先に行かせるために一旦
停車し、右折車の通過後に発車したところ、右側より交差点に進入してきた車両の左
側面に衝突した模様。

(10)タクシーの車両火災事故
5月2日午後4時40分頃、広島県において、タクシーが乗客1名を乗せて運行中、
当該タクシーの運転者が当該タクシーのサイドブレーキ付近からの煙に気付いたた
め、乗客1名と脱出した。
この事故による負傷はなし。
なお、当該タクシーは全焼した。

(11)タクシーが奪われた事件1
5月6日午前5時50分頃、沖縄県において、タクシーの運転者がタクシーを駐車
し、公衆便所を利用して戻ったところ、当該タクシーの運転席に白人男性が座ってい
たため、当該タクシーの前方から注意したところ、この白人男性は当該タクシーを発
進させた。
この事件により、当該タクシーの運転者が、当該タクシーを避けた際に転んで、右膝
と頭を打った。
なお、当該タクシーの運転者は、当該タクシーのエンジンを掛けたままの状態で公衆
便所を利用していた模様。
その後、当該タクシーを奪って逃走した白人男性は、当該タクシーを乗り捨て、近く
の海岸を泳いで逃げていたところを警察に逮捕された。

(12)タクシー運転者の健康起因事故
5月8日午後11時30分頃、奈良県の高速道路のトンネル内において、タクシーが
乗客1名を乗せて運行中、当該トンネルの左側の壁に衝突した。その後、当該タク
シーは、走行していた軽自動車に追突し、さらに壁に衝突した。
この事故により、当該タクシーの運転者が死亡し、当該タクシーに追突された軽自動
車の運転者が軽傷を負った。当該タクシーの乗客に負傷はなし。
事故後、事業者が、当該タクシーの乗客に事故当時の状況を確認したところ、事故当
時、当該乗客は眠っていたが、衝撃を感じたため目を覚ますと、運転者がいびきをか
いていたとのこと。
なお、当該タクシーにはドライブレコーダ及び車内カメラが装着されていたが警察に
押収されている。
当該タクシーの運転者は、5月2日に所属営業所で実施された健康診断において、血
圧が高めという診断を受けており、翌日(3日)には「めまい」がするため会社を休
んでいたが、事故当日の夜から乗務を開始した模様。

(13)タクシーが奪われた事件2
5月12日午前5時40分頃、大阪府において、タクシーの車外で客待ちをしていた
当該タクシーの運転者のところに30才位の男が近づき、持っていたスプレーを吹き
かけ、「殺すぞ、死にたいんか」と脅迫し、当該運転者がひるんだ隙に、この男はエ
ンジンの掛かった状態の当該タクシーに乗り込み逃走した。
この事件により、当該タクシーの運転者は目に軽傷を負った。
その後、奪われたタクシーは現場から200メートル離れた場所で乗り捨てられてい
た。

(14)トラック運転者が救護義務違反の疑いで逮捕
5月5日午前1時20分頃、埼玉県において、トラック2台が歩行者を撥ねた。その
後、通りがかった車両の運転者が道路上に倒れている男性を発見し、警察に通報し
た。
この事故により、この男性は、病院に搬送されたが死亡が確認された。
その後の警察の調べにより、現場を通過した2台のトラックの運転者は、道路交通法
違反(救護義務違反)の疑いで逮捕された。