「事業用自動車安全通信」第95号(H23.4.28)

事業用自動車安全通信」第95号(H23.4.28)

=目 次=
1.重大事故情報=3件(4月22日〜4月27日分)
(1)貸切バスが乗用車と衝突した事故
(2)タクシーが自転車と衝突した事故
(3)タクシーがライトバンと衝突し、転覆した事故
2.「重大事故情報」のその後
(1)乗合バスの運転者が健康起因により死亡(平成22年10月15日送付分)
(2)貸切バスが歩行者を撥ねた事故(平成22年5月14日送付分)
(3)トラック運転者の酒気帯び運転による転落事故(平成22年9月24日送付分)

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【1.重大事故情報=3件】(4月22日〜4月27日分)

(1)貸切バスが乗用車と衝突した事故
4月26日午前5時15分頃、山形県の交差点において、貸切バスが乗客23名を乗
せて運行中、対向してきた乗用車と衝突した。
この事故により、当該乗用車の運転者が死亡し、当該バスの乗客5名が軽傷を負っ
た。
事故当時、当該バスは、青信号に従い交差点に進入したところ、乗用車が対向車線か
ら当該バスに向かってきた模様。

(2)タクシーが自転車と衝突した事故
4月25日午後6時5分頃、奈良県において、タクシーが乗客を乗せて運行中、対向
してきた自転車と衝突した。
この事故により自転車に乗っていた大学生が死亡した。
事故現場は、当該タクシーから見て登りの緩やかな左カーブで、事故当時、当該タク
シーの運転者は、当該タクシーの前方に対向してくる自転車を発見し、ブレーキをか
けたが衝突した模様。

(3)タクシーがライトバンと衝突し、転覆した事故
4月26日午後11時50分頃、大阪府において、タクシーが乗客1名を乗せて運行
中、信号のない交差点を右折しようとしたところ、左から来たライトバンと衝突し、
当該タクシーは転覆した。
この事故により、当該タクシーの乗客及び運転者とライトバンの運転者の計3名が軽
傷を負った。
事故当時、当該タクシーは、一時停止後に当該交差点に進入したが、当該タクシーの
運転者は、優先道路を走行していたライトバンに気付いていなかった模様。

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【2.「重大事故情報」のその後】
* 以前にこのメルマガで紹介した重大事故情報のその後の情報をお知らせします。

(1)乗合バスの運転者が健康起因により死亡(平成22年10月15日送付分)
=事故概要=
10月8日午後7時40分頃、宮城県において、乗合バスが乗客1名を乗せ運行中、
終点の停留所の手前で当該バスが停車し、当該バスの運転者が倒れた。乗客から連絡
を受けた営業所の担当者は直ちに119番通報をしたが、救急隊が駆けつけた時には
既に心肺停止状態だった。
その後、運転者は救急車により病院に搬送されたが死亡が確認された。乗客に負傷は
なし。
乗客によると車両が停止する前、運転者が乗客に対し、気分が悪いと話していたとの
こと。
なお、当該バスの運転者の健康状態については点呼時に異常は認められなかったが、
心臓疾患等の病歴がある模様。
=その後の情報=
当該バスの運転者は、当該事故の前年の平成21年7月に胸膜炎及び呼吸不全のため
入院していた。さらにその翌月には、うっ血性心不全により入院が必要と診断されて
いた。
その後、入院、加療により就業可能な状態と診断されたことから、産業医の指導を受
け乗務に復帰し、月1回の通院と4種類の薬を服用していた。
また、事故直近の健康診断(平成22年7月受診)では、不整脈及び心電図検査にお
いて精密検査の必要があると診断されていた。(死亡原因:拡張型心筋症)

(2)貸切バスが歩行者を撥ねた事故(平成22年5月14日送付分)
=事故概要=
5月10日午後3時30分頃、山形県で、貸切バスが道路右側から横断してきた歩行
者に気付くのが遅れ、急ブレーキをかけ避けようとしたが間に合わず歩行者を撥ね
た。
この事故で、歩行者は病院に搬送されたが、約1時間半後に死亡が確認された。事故
当時、当該バスには、郊外学習のため仙台市内の中学生等30名あまりが乗車してい
た模様であるが、乗客等にケガはなかった。
事故現場は、横断歩道のない、見通しの良い直線道路であった。
=その後の情報=
当該貸切バスの運転者は、事故発生地点の約150メートル手前で歩行者を認識して
いたが、当該歩行者は横断して来ないと思い込み、当該貸切バスに搭載されたカラオ
ケモニターを注視したまま運転を継続したため、前方不注意の状態となってしまい、
事故発生地点手前約50メートルの地点で当該歩行者が横断しているのを認識し、急
制動を行ったが間に合わず当該歩行者を撥ねた。

(3)トラック運転者の酒気帯び運転による転落事故(平成22年9月24日送付分)
=事故概要=
9月15日午後9時40分頃、岩手県において、トラックが進行方向左側の水田に転
落・転覆した。
この事故による負傷者はなし。
警察の取り調べにおいて、当該トラックの運転者の呼気を確認したところ、呼気1
リットル当たり約0.4ミリグラムのアルコールが検出された。
=その後の情報=
事故当日、当該トラックの運転者は、午後0時から約3時間、自宅で焼酎約0.9
リットルを飲酒し、酒気が抜けていない状態で午後8時30分頃営業所に出勤した。
当時、当該営業所には運行管理の補助者が配置されていたが、他の車両の整備のため
不在であったことから、運行管理者に連絡して、本来対面ですべき点呼を電話で済ま
して、午後9時5分頃出庫した。