「事業用自動車安全通信」第93号(H23.4.15)

事業用自動車安全通信」第93号(H23.4.15)

=目 次=
1.重大事故・事件情報=8件(4月8日〜4月14日分)
(1)乗合バスがスクーターと衝突した事故
(2)タクシーが乗用車と衝突した事故
(3)タクシーの運転者が殺された事件
(4)タクシーが原動機付自転車と衝突した事故
(5)タクシー運転者の酒気帯び運転
(6)タクシーが歩行者を撥ねた事故
(7)タンクローリーがトラックと衝突し、軽油が漏れた事故
(8)自家用有償バスが田んぼに転落した事故

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【1.重大事故・事件情報=8件】(4月8日〜4月14日分)

(1)乗合バスがスクーターと衝突した事故
4月12日午後5時20分頃、東京都において、乗合バスが運行中、前方の信号が赤
だったことから前走車に続き停車しようと、減速していたところ、後続のスクーター
が当該バスの右側後部に衝突した。
この事故により、当該スクーターの運転者が死亡した。当該バスの乗客及び運転者に
負傷はなし。
当該スクーターは、事故の直前に、前方の渋滞中の車列を追い越すため、対向車線を
走行した後、当該バスに衝突した模様。

(2)タクシーが乗用車と衝突した事故
4月2日午後10時頃、三重県の信号のない三叉路交差点において、タクシーが乗客
1名を乗せて運行中、右側前方の道路から交差点に進入してきた乗用車と正面衝突し
た。
この事故により、当該タクシーの乗客が、頭部打撲、頸椎捻挫、右下肢切創及び右膝
半月板骨折の重傷、運転者が頭部打撲及び頸椎捻挫の軽傷を負った。
事故当時、当該乗用車(車検切れ、無保険)は、スピードの出し過ぎのため三叉路交
差点で左折する際に対向車線にはみ出した模様。
なお、当該タクシーの運転者は、事故当時シートベルトを装着していたが、乗客は
シートベルト未装着であった。

(3)タクシーの運転者が殺された事件
4月6日午前7時15分頃、熊本県において、血痕のついた携帯電話が落ちていると
110番があり警察が調べたところ、タクシー運転者の電話と判明した。
当該運転者は、帰庫時間になっても帰庫せず、事業者が連絡してもとれなかったた
め、警察が緊急配備をして行方を捜していたところ、6日午後1時20分頃、当該運
転者が乗っていたタクシーが発見され、トランクの中から当該運転者が遺体で見つ
かった。
また、当該タクシーからは売上金約2万円が奪われていた模様。
その後、現場周辺の聞き込みにより捜査線に浮上した県内の住所不定、無職の男(3
0才)から任意で事情を聴き、容疑が固まったとして、県警は11日深夜、強盗殺人
の疑いで逮捕した。
なお、容疑者は容疑を大筋で認めているが、「最初から殺すつもりではなかった。当
該運転者と面識はなかった」などと供述している模様。

(4)タクシーが原動機付自転車と衝突した事故
4月7日午後8時55分頃、神奈川県において、タクシーが乗客1名を乗せて運行
中、青信号に従い交差点に進入したところ、右側から走行してきた原動機付自転車
衝突した。
この事故により、当該原動機付自転車の運転者が死亡した。タクシーの乗客及び運転
者に負傷はなし。

(5)タクシー運転者の酒気帯び運転
4月8日午後3時30分頃、沖縄県において、タクシーが蛇行運転をしているとの通
報を受けた警察官が、当該タクシーの運転者に事情を聴いたところ、この運転者から
酒の臭いがしたため、アルコール検知器を用いて検査したところ、この運転者の呼気
から、基準値の約3倍のアルコールが検出された。
このため、当該運転者は道路交通法違反(酒気帯び運転)の疑いで逮捕された。
なお、事業者によると、当該タクシーの運転者の乗務前点呼時に、アルコール検知器
を使用して酒気帯びの有無を確認した際には酒気帯びはなかったが、当該タクシーの
運転者は、出庫後の昼食時において飲酒した模様。

(6)タクシーが歩行者を撥ねた事故
4月13日午前2時5分頃、大阪府において、タクシーが空車にて走行中、道路を左
から横断中の歩行者を対向車線で撥ねた。
この事故により、撥ねられた歩行者は死亡した。
当該事故現場は、片側2車線の直線道路で、横断歩道はなかった。
当該タクシーには、ドライブレコーダが装着されており、その映像から、事故当時、
第一車線において、当該タクシーが、前方を走行していた別会社のタクシーを追い越
すため第二車線に車線変更しようとしたところ、当該前方のタクシーがさらに前方の
車両を追い越すため当該タクシーの前方に車線変更して来たことから、当該タクシー
は、さらに当該前方のタクシーを追い越そうとして、対向車線に出ていたことが確認
された模様。

(7)タンクローリーがトラックと衝突し、軽油が漏れた事故
4月8日午後1時10分頃、北海道において、タンクローリー(タンクセミトレーラ
をけん引したトラクタ)が、対向してきた大型トラックと衝突したことにより、当該
タンクローリーに積載されていた軽油15300リットルのうち約3100リットル
が漏れ、道路路肩の排水溝から湖へ流入した。
この事故により、当該大型トラックの運転者が意識不明の重体、当該タンクローリー
の運転者が頭などを打ち軽傷を負った。
当該事故現場は、片側一車線の見通しの良い直線道路で、事故当時、当該大型トラッ
クは、下取りのため自動車ディーラーの従業員による回送運行中で、対向車線にはみ
出して走行していた模様。
湖に流入した軽油は、オイルフェンス、吸着マット、中和剤により処理が行われた模
様。

(8)自家用有償バスが田んぼに転落した事故
4月13日午後2時10分頃、島根県において、自家用有償バスが運行中、運行経路
を誤った(右折すべきところを直進)ため、空き地で方向転換すべく後退したとこ
ろ、バスの車体後部が田んぼに約1.5m転落した。
事故当時、当該バスには乗客はおらず、負傷者はなし。
当該バスの運転者に怪我はないが、転落の際のショックで事故時の記憶がないと証言
している模様。
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