「事業用自動車安全通信」第９２号(Ｈ23．4．8)

＝目　次＝
１．重大事故・事件情報＝７件（４月１日〜４月７日分）
（１）タクシーの扉操作時の事故
（２）タクシーが男性を轢いた事故
（３）タクシーが乗用車と衝突後転覆した事故
（４）タクシー運転者が強盗傷害に遭った事件
（５）トラックが軽乗用車に衝突した事故
（６）トラック運転者の酒気帯び運転による事故
（７）トラックが乗用車と衝突した事故
２．「重大事故情報」のその後
（１）タクシー運転者のひき逃げの疑い逮捕（平成２１年１０月３０日送付分）
（２）タクシーの出合い頭の衝突事故（平成２２年２月１２日送付分）
（３）トラック運転者の酒気帯び運転による追突事故（平成２１年１２月
　　　１１日送付分）

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【１．重大事故・事件情報＝７件】（４月１日〜４月７日分）

（１）タクシーの扉操作時の事故
３月３１日午前１１時頃、静岡県において、タクシーが目的地の大型スーパー駐車場
で乗客（女性、８１才）を降ろした際、当該タクシーの運転者（７５才）が当該乗客
の降車状況を確認せずに左後部扉を閉めたため、当該乗客の顔と左後部扉が接触し、
そのはずみで当該乗客が後方に転倒した。
この事故により、転倒した乗客が左大腿骨転子部骨折及び顔面左側打撲の重傷を負っ
た。
当該タクシーの運転者は、当該乗客が降りる際に、日報の記載をしていた模様。

（２）タクシーが男性を轢いた事故
３月３１日午後９時２５分頃、兵庫県において、タクシーが走行中、道路左側に座っ
ていた男性を確認したため、通過前に減速するとともに右側へ避けようとハンドルを
切ったが、当該男性が突然道路中央側に動き出したため、当該男性を轢いた。
この事故により、轢かれた男性は病院に搬送されたが、搬送先の病院で死亡した。
なお、轢かれた男性は泥酔していた模様。

（３）タクシーが乗用車と衝突後転覆した事故
４月３日午前６時３０分頃、静岡県の交差点において、タクシーが空車にて青信号に
従い直進していたところ、右側から信号無視をして当該交差点に進入してきた乗用車
と衝突した。
当該乗用車は、タクシーの右側面に衝突して、その弾みで当該タクシーは転覆（３６
０°回転）した。
この事故により、当該タクシーの運転者(シートベルト着用）が額を切る軽傷を負っ
た。当該乗用車の運転者に負傷はなし。

（４）タクシー運転者が強盗傷害に遭った事件
４月５日午後９時２０分頃、秋田県において、タクシーに乗車していた男性の指示に
従い車を止めた際に、当該男性が運賃を払わずにタクシーを降車したため、当該タク
シーの運転者がこの男性を呼び止めようとして車外に出たところ、当該男性に棒のよ
うなもので殴られ、当該男性はタクシーを奪って逃走した。
事件発生後、当該タクシーは川に投げ捨てられているのを発見されたが、装着されて
いたドライブレコーダは取り外されていた。
この事件により、当該タクシーの運転者は前歯が数本折れ、顔などにもけがをしてい
る模様。

（５）トラックが軽乗用車に衝突した事故
４月１日午前６時４５分頃、長野県の高速道路のトンネル内において、大型トラック
が走行車線に停車していた軽乗用車に追突した。
この事故により、追突された軽乗用車に乗っていた男性２名が死亡した。
なお、死亡した２名のうち、１名は車外にいた模様。

（６）トラック運転者の酒気帯び運転による事故
４月４日午前４時５５分頃、東京都の市場の構内において、トラックが左右の駐車車
両の間をすり抜けようとしたところ、進行方向右前方に駐車していた車両に気をとら
れていたため、左側に駐車していた別の車両に接触した。
この事故による負傷者はなし。
警察の現場検証の際、接触したトラックの運転者から酒の臭いがしたため、警察が飲
酒について検査したところ、呼気１リットル中０．３３ミリグラムのアルコールが検
出された。
なお、当該トラックの運転者は、午前４時３０分頃に所属営業所の車庫を出庫してい
るが、その際に本来対面でするべき点呼を電話で行っていた模様。

（７）トラックが乗用車と衝突した事故
４月６日午後３時３０分頃、鹿児島県において、大型トラック（ダンプカー）が走行
中、センターラインを越えて対向してきた乗用車と正面衝突した。
この事故により、当該乗用車に乗車していた３名が死亡し、当該トラックの運転者が
軽傷を負った。
事故現場は、当該トラックからみて右カーブだった。

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【２．「重大事故情報」のその後】
＊　以前にこのメルマガで紹介した重大事故情報のその後の情報をお知らせします。

（１）タクシー運転者のひき逃げの疑い逮捕（平成２１年１０月３０日送付分）
＝事故概要＝
１０月２６日午後７時００分頃、福岡県で横断歩道を自転車に乗って渡っていた女性
がタクシーに撥ねられたもの。
この事故で、撥ねられた女性が足の骨を折る重傷を負った。
なお、当該タクシー運転者は、事故後、負傷者の救護措置をすることなく現場より立
ち去り、警察のその後の調べにより、本日（２８日）道路交通法違反（救護義務違
反）の疑いで逮捕されたもの。
事故の詳細については、現在、調査中でありますが、当該タクシー運転者は、運転免
許の点数がなくなり仕事ができなくなると思い逃げたと供述しており、容疑を認めて
いる模様。
＝その後の情報＝
運送事業者に対して監査を実施したところ、点呼の記録義務違反等が確認されたた
め、２１０日車の車両使用停止処分を行った。

（２）タクシーの出合い頭の衝突事故（平成２２年２月１２日送付分）
＝事故概要＝
２月６日午後９時頃、長崎県で、タクシーとバイクが交差点で出合い頭に衝突した。
この事故で、バイクを運転していた男性が死亡。タクシーの乗客と運転者は軽傷を
負った。その後の調査によると、タクシー運転者は交差点で一旦停止し走行する車両
がいなかったことから右折しようと国道に出たときに、１台目のバイクがタクシーの
前方を通過した。その後、そのままの速度で進んだところ、２台目のバイクに気がつ
くのが遅れ衝突したとのこと。
＝その後の情報＝
運送事業者に対して監査を実施したところ、事業用自動車の運転者に対して運行の安
全及び旅客の安全を確保するために必要な運行に関する技能及び知識を習得させるこ
と等に関する指導監督義務違反のほか、乗務員台帳の保存義務違反等が確認されたた
め、５０日車の車両使用停止処分を行った。

（３）トラック運転者の酒気帯び運転による追突事故（平成２１年１２月
　　　１１日送付分）
＝事故概要＝
１２月７日午前２時２５分頃、静岡県の東名高速道で、トラックが走行中、自衛隊車
両に追突した。
この事故で、自衛隊車両に乗っていた２名のうち、１名が顔に軽傷、１名が鎖骨及び
指を骨折の重傷を負った。
警察は、事故の取り調べにおいて、当該トラック運転者からアルコールが検出された
ため、当該トラック運転者の身柄を拘束した。
＝その後の情報＝
運送事業者に対して監査を実施したところ、運行の安全を確保するために必要な過労
防止措置義務違反のほか、運転者の健康状態の把握違反、点呼の実施義務違反、点呼
の記録義務違反、点呼の記録の保存義務違反、運行指示書の携行義務違反、運行指示
書の記録の保存義務違反、運転者台帳の作成義務違反、運行管理者の研修受講義務違
反等が確認されたため、２５５日車の車両使用停止処分を行った。