「事業用自動車安全通信」第82号(H23.1.21)

事業用自動車安全通信」第82号(H23.1.21)

=目 次=
1.重大事故情報=4件(1月14日〜1月20日分)
(1)貸切バスがトラックに追突した事故
(2)タクシーがオートバイと衝突した事故
(3)タクシーが乗用車と衝突した事故
(4)自家用有償旅客運送の軽乗用車が乗用車と衝突した事故
2.平成22年中の大型車のホイール・ボルト折損による車輪脱落事故の状況
(再周知)

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【1.重大事故情報=4件】(1月14日〜1月20日分)

(1)貸切バスがトラックに追突した事故
1月19日午前8時頃、群馬県の高速道路(片側二車線)において、貸切バスが乗
客15名を乗せて運行中、大型トラックに追突した。
この事故により、当該バスの乗客10名が軽傷、当該バスの運転者が左足を骨折する
重傷を負った。
この事故の影響により、当該高速道路の一部区間が約2時間半通行止めとなった。

(2)タクシーがオートバイと衝突した事故
1月16日午前5時40分頃、神奈川県の交差点において、空車のタクシーが右折
したところ、対向車線を直進してきたオートバイと衝突した。
この事故により、当該オートバイの運転者が、頭などを強く打ち間もなく死亡した。
事故現場は、片側2車線の道路で、事故当時、信号機はお互いに青であった模様。

(3)タクシーが乗用車と衝突した事故
1月18日午後11時50分頃、愛知県の交差点において、空車のタクシーが直進
していたところ、左から交差点に進入してきた乗用車と出合い頭に衝突した。
この事故により、当該タクシーの運転者が死亡し、当該乗用車の同乗者1名が軽傷を
負った。
事故当時、当該交差点における信号はタクシー側が青で、乗用車側が赤信号であった
模様。

(4)自家用有償旅客運送の軽乗用車が乗用車と衝突した事故
1月12日午後1時40分頃、三重県において、自家用有償運送中の軽乗用車が走
行中、対向してきた乗用車と正面衝突した。
この事故により、当該軽乗用車の後部座席に乗車していた男性(84才)が死亡し、
当該軽乗用車の運転者と乗用車の乗員2名の計3名が軽傷を負った。
事故現場は、片側1車線の右カーブであった。

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【2.平成22年中の大型車のホイール・ボルト折損による車輪脱落事故の状況
(再周知)

今般、平成22年中の大型車(車両総重量8トン以上又は乗車定員30人以上のト
ラック、バス等)のホイール・ボルト折損による車輪脱落事故の発生状況(速報)が
まとまりました。
<発生状況>
車輪脱落事故は近年減少傾向にありましたが、平成22年に発生した事故は24件あ
り、平成21年に比べ11件増加しています。
平成11年から平成22年までに発生した事故は341件であり、月別の発生状況を
見ると2月に59件、3月に51件と特に2,3月の冬から初春の時期に発生が集中
しています。
また、地域別の発生状況を見ると積雪地域の発生率が高い傾向が見られます。
大型車のホイール・ボルト折損による車輪脱落事故については、一度発生するとその
影響は甚大なものとなります。
そのため、大型車の使用者は、日常点検においてホイール・ナットの脱落・緩みやホ
イール・ボルトの折損等の異常の有無を重点的に点検してください。

※ ホイール・ボルト折損の主な原因は、①ホイール・ボルトの締付力不足、②ホ
イール・ボルトの誤組(スチールホイールにアルミホイール用のボルトを使用する
等)、③ホイール・ボルトの過締めと推定されています。
※ 2,3月に発生が多くなる原因の1つとして、例年10月から12月にかけて夏
用タイヤから冬用タイヤに交換する際に締結不良(締付力不足、誤組、過締等)があ
り、ボルトの疲労破壊が進行して数ヶ月後に集中的に折損し、車輪の脱落が発生する
ことが考えられます。