「事業用自動車安全通信」第74号(H22.11.19)

事業用自動車安全通信」第74号(H22.11.19)

=目 次=
1.重大事故情報=11件(11月10日〜11月16日分)
(1)乗合バスが乗用車と衝突した事故
(2)乗合バスが歩行者を撥ねた事故
(3)乗合バスがライトバンと衝突した事故
(4)乗合バスが乗用車と衝突した事故
(5)貸切バスが軽自動車と衝突した事故
(6)タクシーが路面電車と衝突した事故
(7)タクシーが軽自動車と衝突した事故
(8)トラック運転者の酒気帯び運転による事故
(9)霊柩車運転者の酒気帯び運転による事故
(10)大型トラック2台が乗用車に衝突した事故
(11)トラック運転者の酒気帯び運転による事故
2.「重大事故情報」のその後
(1)タクシー運転者の飲酒運転(平成22年1月8日配信分)
(2)トラック運転者の酒気帯び運転による事故(平成22年1月22日配信分)

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【1. 重大事故情報=11件】(11月10日〜11月16日分)

(1)乗合バスが乗用車と衝突した事故
11月12日午前9時5分頃、大阪府において、乗合バスが乗客5名を乗せて直線道
路を走行中、対向してきた乗用車と正面衝突した。
この事故により、当該バスの運転者と乗客2名が軽傷、対向してきた乗用車の運転者
(61才、男性)は病院に搬送されたが死亡した。
この事故は、対向してきた乗用車がセンターラインを越えてきたため生じた模様。
なお、当該バスの運転者によると、対向してきた乗用車の運転者は、運転者席でうつ
ぶせになった状態で衝突してきたとのこと。

(2)乗合バスが歩行者を撥ねた事故
11月13日午後6時15分頃、鹿児島県において、乗合バスが走行中、道路を右か
ら左へ横断する歩行者を撥ねた。
この事故により、撥ねられた歩行者は死亡した。
当該バスの運転者は、この歩行者を撥ねる直前に発見したため、急ブレーキをかけた
が間に合わなかった模様。
事故当時、当該バスに乗客はいなかった。

(3)乗合バスがライトバンと衝突した事故
11月14日午前9時40分頃、滋賀県において、乗客のいない乗合バスが走行中、
対向してきたライトバンと衝突した。
この事故により、対向してきたライトバンの運転者が死亡した。
乗合バスの運転者に負傷はなし。
事故現場は、乗合バスからみて緩やかな右カーブ(片側1車線)。
当該事故は、対向してきたライトバンがセンターラインを越えてきたため発生した模
様。

(4)乗合バスが乗用車と衝突した事故
11月16日午前11時5分頃、北海道の信号のある交差点において、乗合バスが乗
客14名を乗せ直進しようとしたところ、左方より直進してきた乗用車の右側面に衝
突した。
この事故により、当該バスの乗客のうち1名(女性、76才)が頸椎骨折の重傷を負
い、3名と乗用車の運転者が軽傷を負った。
重傷の乗客は、車両の後部の二人掛け座席の通路側に座っていたが、衝突したはずみ
で当該座席から中央の通路へ転落して頭部を強打し、頸椎を骨折した模様。
事業者によると、事故当時、当該バスの進行方向の信号が赤であった模様。

(5)貸切バスが軽自動車と衝突した事故
11月13日午後3時30分頃、岩手県において、貸切バスが乗客42名、添乗員1
名、ガイド1名、運転者1名の計45名を乗せ運行中、軽自動車と衝突した。
この事故により、当該バスの乗客8名と添乗員、ガイドの計10名が打撲等の軽傷を
負った。
事故現場は、見通しのよい片側2車線の直線道路であったが、事故当時、右側車線を
走行していた当該軽乗用車が、前方で右折しようとしていた車両を避けるため左側車
線に車線変更したところ、当該バスの直前であったため、当該バスの運転者は急ブ
レーキを掛けたが衝突した模様。

(6)タクシーが路面電車と衝突した事故
11月11日午後2時20分頃、長崎県において、タクシーが空車にて走行中、後方
から接近してきた路面電車接触した。
この事故による負傷者はなし。
当該事故は、当該タクシーの運転者が、交差点において、後方の電停に停車していた
路面電車が動き出したことに気付かず、左折待ちの車列を避けて軌道上に進入したた
め発生した模様。
当該路面電車の運転者によると、当該タクシーが軌道上に一部進入したのを確認した
ため、警笛を鳴らしブレーキをかけたが間に合わなかったとのこと。

(7)タクシーが軽自動車と衝突した事故
11月12日午後2時15分頃、兵庫県の信号のある交差点において、タクシーが乗
客2名を乗せ直進しようとしたところ、左から直進してきた軽自動車と衝突した。こ
の事故のはずみで当該タクシーが交差点先左側の歩道に乗り上げ、歩道で自転車を押
していた女性を轢いた。
この事故により、轢かれた女性が搬送先の病院で死亡し、当該タクシーの乗客2名が
軽傷を負った。
事故は、当該軽自動車の運転者が赤信号で交差点に進入したことにより発生した模
様。

(8)トラック運転者の酒気帯び運転による事故
11月10日午前7時15分頃、新潟県において、トラックが走行中、片側3車線の
うち一番左の車線から2番目の車線に進路変更したところ、中央車線を走行していた
車両と接触した。
この事故による負傷者はなし。
事故後、事故処理のため到着した警察により、当該トラックの運転者の酒気帯び運転
が発覚した。
当該運転者は、前日の午後7時からの2時間で焼酎2合半を水割りで飲んだが、事故
当日の乗務前点呼(アルコール検知器の設置なし)の際、所属営業所の運行管理者
は、当該運転者が酒気を帯びていることに気付かなかった模様。

(9)霊柩車運転者の酒気帯び運転による事故
11月12日午前7時40分頃、埼玉県において、霊柩車が病院から葬儀場へ遺体を
運んでいたところ、道路左側に左前輪が脱輪した。事故後、後続車の遺族が当該霊柩
車の運転者と話をしたところ、酒の臭いがすることに気付いたため警察に通報した。
この事故による負傷者はなし。
警察の調べで、当該運転者から呼気1リットル当たり0.2ミリグラムのアルコール
が検出されたため、当該運転者は道路交通法違反(酒気帯び運転)の疑いで逮捕され
た。
当該運転者は「昨晩、酒を飲んだ」と話している模様。

(10)大型トラック2台が乗用車に衝突した事故
11月13日午前1時25分頃、大分県の高速道路において、大型トラック2台が単
独事故で車線上に停車していた乗用車に次々と衝突した。
この事故により、当該乗用車に乗っていた男女2人が死亡した。衝突したそれぞれの
大型トラックの運転者に負傷はなし。
この事故の影響で、当該高速道路が約7時間通行止めとなった。 

(11)トラック運転者の酒気帯び運転による事故
11月16日午後12時頃、兵庫県において、トラックが走行中、縁石に乗り上げ走
不能となる自損事故を起こした。
この事故による負傷者はなし。
事故後、警察による現場検証の際、当該トラックの運転者から酒の臭いがしたため、
警察が当該トラックの運転者の呼気を確認したところ、呼気1リットル当たり0.5
5ミリグラムのアルコールが検出されたため、当該トラックの運転者は道路交通法
反(酒気帯び運転)の容疑で現行犯逮捕された。

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【2.「重大事故情報」のその後】
* 以前にこのメルマガで紹介した重大事故情報のその後の情報をお知らせします。

(1)タクシー運転者の飲酒運転(平成22年1月8日配信分)
=事故概要=
1月4日午前7時頃、大分県で、タクシー運転者が駐車禁止の時間帯に車を道路脇に
止めていたところを巡回中の警察官に注意された。その際、当該運転者から酒の臭い
がし検査をしたところ、基準を超えるアルコールが検出されたため、酒気帯び運転の
疑いでその場で逮捕された。事業者からの報告によると、当該運転者は会社でのアル
コールの検知を受けず、運転者の点呼の前にタクシーに乗って出て行ったとのこと。
=その後の情報=
運送事業者に対して監査を実施したところ、運送事業者が事業用自動車の運転者に対
して運行の安全及び旅客の安全を確保するために必要な運行に関する技能及び知識を
習得させる等の指導監督義務違反のほか、過労防止措置義務違反、点呼の実施義務違
反、点呼の記録義務違反、点呼の記録の保存義務違反、点呼の記録の改ざん、乗務等
の記録義務違反、乗務等の記録の改ざん、乗務員台帳の作成義務違反、特別な指導義
務違反、適性診断受診義務違反、定期点検整備の未実施等が確認されたため、395
日車の車両使用停止処分を行った。

(2)トラック運転者の酒気帯び運転による事故(平成22年1月22日配信分)
=事故概要=
1月18日午後4時32分頃、岡山県中国自動車道下り線で、トラックが中央分離
帯ガードレールに衝突し、炎上した。事故後、警察が運転者の飲酒の有無について検
査したところ、呼気1リットル中0.2ミリグラムのアルコールが検出されたため、
道路交通法違反(酒気帯び運転)の疑いで運転者を現行犯逮捕した。この事故によ
り、当該トラックが全焼したが、けが人はなし。
=その後の情報1(既報)=
その後の調査によると、当該車両には、事業者が後付けのアルコールインターロック
を取付けていたが、当該運転者は、事業者に無断でアルコールインターロック装置の
配線を取り外していたとのこと。
=その後の情報2=
運送事業者に対して監査を実施したところ、運送事業者が事業用自動車の運転者に対
して運行の安全及び旅客の安全を確保するために必要な運行に関する技能及び知識を
習得させる等の指導監督義務違反のほか、過労防止措置義務違反、点呼の実施義務違
反、点呼の記録義務違反、点呼の記録の保存義務違反、乗務等の記録義務違反が確認
されたため、110日車の車両使用停止処分を行った。