「事業用自動車安全通信」第73号(H22.11.12)

事業用自動車安全通信」第73号(H22.11.12)

=目 次=
1.重大事故情報=9件(11月5日〜11月9日分)
(1)乗合バスが街路樹に衝突した事故
(2)乗合バスの運転者が酒気帯び運転の疑い
(3)貸切バスの車両火災事故1
(4)貸切バスの車両火災事故2
(5)タクシー運転者の健康起因事故1
(6)タクシーが路面電車接触した事故
(7)タクシーが暴走し、軽乗用車等と衝突した事故
(8)タクシー運転者の健康起因事故2
(9)タンクローリーが湖に転落した事故

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【1.重大事故情報=9件】(11月5日〜11月9日分)
(1)乗合バスが街路樹に衝突した事故
11月5日午後0時頃、東京都において、乗合バスが運行中、反対車線のガードレー
ルを壊して街路樹に衝突した。
この事故により、当該バスの乗客1名が左足骨折の重傷、8名が軽傷を負った。ま
た、当該バスの運転者(66才)が重傷を負った。
当該事故は、当該バスの運転者が、意識を失ったことにより発生した模様(当該運転
者に既往症はない模様)。

(2)乗合バスの運転者が酒気帯び運転の疑い
11月9日、静岡県において、運行管理者補助者が、乗合バスの運転者の乗務前点呼
時にアルコール検知器(呼気中のアルコール濃度が0.15mg/Lで反応するもの)
で反応があったにもかかわらず、当該運転者に約8時間乗務させていたことが判明し
た。
当該補助者から報告を受けた当該事業者の取締役は当該運転者の運転を中止させた。
この乗務による、事故等はなし。
当該運行管理者補助者は、当該運転者に対しアルコール検知器を用いて3回の確認を
実施したところ、いずれも反応したにもかかわらず、当該運転者が乗務する時刻が
迫っていたため運転させた模様。

(3)貸切バスの車両火災事故1
11月7日午前8時45分頃、滋賀県の高速道路において、貸切バスが乗客43名を
乗せて運行中、当該バスの運転者が爆発音と右後輪付近からの煙を確認したため、路
肩に停車し、乗客を降車させたところ、バーストした右後輪から出火し、当該バスは
全焼した。
この事故による負傷者はなし。
なお、当該バスの乗客は別の車両に乗り換えて目的地に向かった。

(4)貸切バスの車両火災事故2
11月8日午後4時20分頃、愛知県の高速道路において、貸切バスが乗客16名を
乗せ運行中、当該バスのエンジンチェックランプが点灯したため、当該バスの運転者
は、インターチェンジを出たところで当該バスを停車し、当該バス後部のエンジン部
を確認していたところ火災が発生した。当該火災は、当該運転者が当該バスに備えら
れていた消火器で消火した。
この事故による負傷者はなし。
なお、当該バスの乗客は、タクシー4台にて目的地に向かった。

(5)タクシー運転者の健康起因事故1
11月8日午前5時50分頃、大阪府の駅のタクシープールにおいて、長時間(7日
午後11時30分頃から)停車していたタクシーの運転席で当該タクシーの運転者
(63才)が死亡しているのを、不審に思った個人タクシーの運転者が発見した。
検死の結果、心筋梗塞による死亡であることが判明した。
なお、事業者によると、点呼時、当該運転者に異常は認められなかったが、健康診断
不整脈と診断されていたため、当該運転者に対して疲れたら帰庫するよう指示して
いた模様。

(6)タクシーが路面電車接触した事故
11月8日午後3時15分頃、長崎県の片側2車線の信号機のない交差点において、
空車のタクシーが右折時に路面電車接触した。
この事故による負傷者はなし。
当該タクシーの運転者は、当該交差点で右折する際、約100メートル前方に対向し
てくる路面電車を確認したが、対向車線については、当該タクシーからみて手前の赤
信号による信号待ちの車列の間を通過可能と判断し、当該交差点において右折を始め
たところ、対向車線の第1通行帯の車両が動き出しことにより、当該タクシーは右折
途中にその後部が当該交差点の軌道上に残った状態で停車したため接触した模様。

(7)タクシーが暴走し、軽乗用車等と衝突した事故
11月8日午後3時50分頃、山梨県において、タクシーが空車にて走行中、セン
ターラインをはみ出したため、対向車線を走行中の軽乗用車と衝突した。この影響で
当該軽乗用車の後方を走行していた乗用車が当該軽乗用車に追突した。さらにタク
シーは100m近く走行を続け、当該タクシーの前方を走行していた乗用車に追突し
て停止した。
この事故により、当該軽乗用車の運転者と最後に追突された乗用車の運転者の2人が
重傷、当該タクシーの運転者と軽乗用車の助手席に乗っていた女性の2名が軽傷を
負った。
なお、当該タクシーの運転者は、「青信号になり発車しようとしたところ、エンジン
音が異常に大きくなり急発進し、ブレーキを踏んでもエンジン停止ボタンを押しても
暴走を続けた」と主張している模様。

(8)タクシー運転者の健康起因事故2
11月9日午前1時頃、群馬県において、タクシーが空車にて走行中、左カーブを曲
がりきれずに反対車線の停車車両と建物に衝突した。
この事故により、当該タクシーの運転者(64才、男性)は病院に搬送されたが午前
2時に死亡した。
当該運転者の死体検案書によると、直接の死因は「急性心不全(解離性大動脈瘤
裂)」であった。
なお、健康診断の心電図検査では経過観察となっていた。

(9)タンクローリーが湖に転落した事故
11月6日午後2時50分頃、山梨県において、タンクローリー(トレーラ)が走行
中、急な右カーブを曲がり切れずにガードパイプを突き破り、約10メートル下の湖
に転落した。
この事故により、当該タンクローリーの運転者が軽傷を負った。
タンクローリーの積荷(ガソリン8キロリットル、軽油8キロリットル及び灯油4キ
ロリットルの計20キロリットル)の一部が湖に流出した。