「事業用自動車安全通信」第76号(H22.12.3)

事業用自動車安全通信」第76号(H22.12.3)

=目 次=
1.重大事故情報=9件(11月25日〜12月1日分)
(1)乗合バスの車内事故
(2)乗合バスが軽自動車に追突した事故
(3)乗合バスが軽自動車と衝突した事故
(4)貸切バスの運転者が自動車運転過失致死容疑で逮捕
(5)タクシーが歩行者を撥ねた事故
(6)タクシー運転者を救護義務違反の疑いで逮捕
(7)トラック運転者を酒気帯び運転の疑いで逮捕
(8)大型トレーラがマイクロバスと衝突した事故
(9)トラックが乗用車などと衝突した事故
2.年末年始の輸送等に関する安全総点検を実施しましょう。

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【1.重大事故情報=9件】(11月25日〜12月1日分)

(1)乗合バスの車内事故
11月25日午後4時50分頃、長崎県のバス停において、降車扱いを終えた乗合バ
スの運転者が、車内案内及び安全確認を行い乗合バスを発車させたところ、乗客4名
のうち1名(89才、女性)が転倒した。
この事故により、転倒した乗客が第1胸推及び第1腰推圧迫骨折(1ヶ月の入院加
療)の重傷を負った。
事故当時、転倒した乗客は車両前方から3列目の座席に着座していたが、前側の席に
移動しようと席を離れたため、バランスを崩し転倒した模様。

(2)乗合バスが軽自動車に追突した事故
12月1日午前8時15分頃、大分県の信号機のない交差点の直前において、乗客6
名を乗せた乗合バスが軽自動車に追突した。
この事故により、当該バスの乗客のうち1名が前の座席の背面に顔面を強打し、入院
3週間及び加療30日以上の重傷、1名が軽傷を負った。
当該事故は、当該交差点にて左折しようとした軽自動車が、走行していた第二通行帯
から、第一通行帯を走行していた当該バスの直前に割り込んだため発生した模様。

(3)乗合バスが軽自動車と衝突した事故
12月1日午前10時50分頃、兵庫県の片側1車線の直線道路において、乗合バス
が乗客10名を乗せ運行中、対向してきた軽自動車と正面衝突した。
この事故により、当該バスの乗客2名が軽傷を負い、軽自動車の運転者が救急搬送さ
れたが死亡した。
なお、当該事故は、対向してきた軽自動車がセンターラインを越えてきたため発生し
た模様。

(4)貸切バスの運転者が自動車運転過失致死容疑で逮捕
11月26日午前9時15分頃、兵庫県の高速道路のサービスエリア内において、貸
切バスがSA内で清掃作業中の女性を撥ねたが、この貸切バスはそのまま走り去っ
た。
この事故により、撥ねられた女性はまもなく死亡した。
事故後、警察が目撃情報を基に捜査したところ、岐阜県のSA内で後輪に血痕がつい
た貸切バスを発見し、その運転者から事情を聴いたところ、容疑を認めたため自動車
運転過失致死容疑などで逮捕した。

(5)タクシーが歩行者を撥ねた事故
11月28日午後8時20分頃、兵庫県の片側5車線の道路の交差点において、タク
シーが乗客1名を乗せ信号機のある交差点を右折しようとしたところ、当該交差点を
直進してきた乗用車と衝突した。その後、当該タクシーは歩道に乗り上げ、歩行者2
名を撥ねた。
この事故により、当該タクシーの乗客が死亡し、撥ねられた歩行者2名が軽傷を負っ
た。
衝突したタクシー及び乗用車の運転者は、自動車運転過失傷害の容疑で現行犯逮捕さ
れた。

(6)タクシー運転者を救護義務違反の疑いで逮捕
11月29日午後5時15分頃、福島県において、タクシーが乗客1名を乗せ運行
中、信号機と横断歩道のある丁字路交差点を左折したところ、当該横断歩道上の歩行
者2名と接触した。
この事故により、接触した歩行者2名が足などを打ち軽傷を負った。
事故後、当該タクシーの運転者はそのまま事故現場を走り去り、目的地で乗客を降ろ
した後、事故現場へ戻ってきたところを捜査中の警察官に救護義務違反の疑いで逮捕
された。
なお、当該タクシーにはドライブレコーダーが装着されていたが、警察に押収されて
いる模様。

(7)トラック運転者を酒気帯び運転の疑いで逮捕
11月26日午後11時50分頃、滋賀県において、トラックが、ガソリンスタンド
から道路に右折で出ようとしたところ、左から来たワンボックス車と衝突した。
この事故により、衝突したワンボックス車の運転者が軽傷を負った。
当該トラックの運転者は、事故で駆けつけた警察官に道路交通法違反(酒気帯び
転)の疑いで逮捕された。 

(8)大型トレーラがマイクロバスと衝突した事故
11月28日午前7時45分頃、三重県の信号のない交差点において、大型トレーラ
が自家用マイクロバスと出合い頭に衝突した。
この事故で、マイクロバスに乗っていた27名のうち6名が死亡し、21名が重軽傷
を負った。なお、大型トレーラの運転者も重傷を負った。
事故現場は、当該トレーラ側の道路に一時停止の義務があった。
大型トレーラの運転者は、初めて通る道で、休憩場所を探していたところ、気付いた
らバスが目の前にあったと供述している模様。

(9)トラックが乗用車などと衝突した事故
11月29日午前9時45分頃、三重県の高速道路のトンネル出口付近において、ト
ラックが走行中、対向してきた乗用車と衝突し、さらに乗用車の後方を走行してきた
ワゴン車と衝突した後、これら3台は炎上した。
この事故により、衝突した乗用車の乗員3名が死亡し、その他4名が重軽傷を負っ
た。
当該事故は、当該トラックがセンターラインを越えて対向車線にはみ出したことによ
り発生した模様。

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【2.年末年始の輸送等に関する安全総点検を実施しましょう。】

国土交通省では、輸送機関等に人流・物流が集中する年末年始に臨み、各自動車運
送事業者等について、自主点検等を通じた安全性の向上を図るとともに、輸送安全等
に対する意識の高揚を図るため、12月10日〜翌年1月10日までの期間を年末年
始の輸送等に関する安全総点検実施期間と定めております。

各自動車運送事業者等の方々におかれましては、この安全総点検実施期間中に、下
記URLに掲載された点検表を活用するなどして、輸送等の安全確保のための自主点
検を実施されることをお願いします。
http://www.mlit.go.jp/jidosha/soutenken