「事業用自動車安全通信」第135号(H24.3.2)

事業用自動車安全通信」第135号(H24.3.2)

=目 次=
1.重大事故等情報=10件(2月24日〜3月1日分)
(1)乗合バスの車内事故
(2)乗合バスが道路を横断中の歩行者を撥ねた事故
(3)乗合バスが対向してきた乗用車と衝突した事故
(4)乗合バスが路面電車接触した事故
(5)乗合バスが対向してきたワゴン車と衝突した事故
(6)貸切バスが対向してきた乗用車と衝突した事故
(7)貸切バスが高速道路で作業車に追突した事故
(8)タクシーが道路から土手へ転落した事故
(9)タクシーが道路を横断中の歩行者を撥ねた事故
(10)トラックなど9台が絡む多重衝突事故

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【1.重大事故等情報=10件】(2月24日〜3月1日分)

(1)乗合バスの車内事故
2月3日(金)午前8時40分頃、熊本県のバス停において、同県に営業所を置く乗
合バスが乗客扱い中、当該バス停から乗車しようとした乗客が手すりに手をかけたと
ころ、当該バスの乗降口のドアが突然閉まり、当該乗客の右腕を挟んだ。
この事故により、当該乗客が右尺骨骨幹部骨折の重傷を負った。
事故当時、当該バスの運転者は、乗降口のドアを「閉じる」操作をしていないにも関
わらず急に閉まり、乗客の腕を挟んだため、ドアを開けるためスイッチを操作しよう
としたが、スイッチが「開く」となっており開けることが出来なかったことから、非
常コックによりドアを開けた模様。
なお、事故後の当該事業者の調査によると、スイッチ操作無しにドアが閉まった原因
は、事故当時の気温がマイナス13℃と低温であったため、ドアを開閉する装置へ空
気を送り込ための配管が凍りつき、空気の供給が遮断されたためドアが閉まったもの
と推測される。

(2)乗合バスが道路を横断中の歩行者を撥ねた事故
2月25日(土)午後7時25分頃、愛知県において、同県に営業所を置く乗合バス
が乗客5名を乗せて運行中、道路を横断中の歩行者(男性、75歳)を撥ねた。
この事故により、当該歩行者が死亡した。当該バスの乗客及び運転者に負傷はなし。
事故現場は、付近に街灯のない片側一車線の直線道路で、横断歩道はなかった。
なお、当該歩行者は黒っぽい服装だった模様。

(3)乗合バスが対向してきた乗用車と衝突した事故
2月27日(月)午後5時20分頃、愛知県において、同県に営業所を置く乗合バス
が乗客5名を乗せて運行中、対向から走行してきた乗用車と衝突した。
この事故により、当該乗用車の運転者(男性、71歳)が死亡した。当該バスの乗客
及び運転者に負傷はなし。
事故当時、当該乗用車は、センターラインを越えて走行してきた模様。

(4)乗合バスが路面電車接触した事故
2月29日(水)午前7時40分頃、広島県において、同県に営業所を置く乗合バス
が乗客28名を乗せて運行中、交差点を通過直後に渋滞のため停車していたところ、
当該バスの左側後方から当該交差点に進入してきた3両編成の路面電車(約80名)
接触した。
この事故による負傷者はなし。
事故当時、路面電車は、当該バスの進行方向と交わる軌道から、当該交差点を左折し
て、当該バスと同方向に進行する予定であり、当該路面電車の運転者は、当該バスが
停車しているのを確認し一旦停車したが、当該バスと接触しないものと判断し進行し
たため、当該路面電車の左側面と当該バスの右後部が接触した。

(5)乗合バスが対向してきたワゴン車と衝突した事故
3月1日(木)午前5時5分頃、埼玉県において、同県に営業所を置く乗合バスが乗
客6名を乗せて運行中、対向してきたワゴン車と衝突した。
この事故により、当該ワゴン車の乗員のうち1名が死亡、4名が重傷を負い、当該バ
スの乗客1名が軽傷を負った。
事故当時、事故現場付近の道路は凍結していたため、当該ワゴン車がスリップし、セ
ンターラインを越えて対向車線にはみ出した模様。

(6)貸切バスが対向してきた乗用車と衝突した事故
2月24日(金)午後9時20分頃、愛知県において、同県に営業所を置く貸切バス
が乗客26名を乗せて片側二車線の道路の右側の車線を走行中、丁字路交差点を通過
しようとしたところ、対向からきた乗用車と衝突し、このはずみで当該バスは左側の
車線を走行していた別の乗用車と接触した。その後、当該バスは中央分離帯を乗り越
えて反対車線を塞ぐ形で停車した。
この事故により、当該バスの乗客13名とそれぞれの乗用車の運転者が軽傷を負っ
た。
事故現場の交差点は、当該乗用車からみて右折した先に道路はないことから、当該乗
用車はUターンしようとした模様。

(7)貸切バスが高速道路で作業車に追突した事故
2月25日(土)午前4時頃、福島県の高速道路において、同県に営業所を置く貸切
バスが乗客約40名を乗せて運行中、時速約50キロメートルで走行しながら作業を
行っていた作業車に追突した。
この事故により、当該バスの運転者が重傷、乗客23名が軽傷を負った。
当該バスは、片側二車線のうち左側の車線を、降雪による速度規制で時速80キロ
メートルのところ、時速90キロメートルで走行中に、当該バスの運転者は、同一車
線上の作業車を追い越すために、右側車線の後方の車両に気を取られたため、前方不
注視になった模様。
なお、当該作業車は午前3時半頃から、事故現場付近の走行車線で凍結防止剤をまく
作業を行っていた。
この事故で、当該道路の一部区間が4時間半の通行止めとなった。

(8)タクシーが道路から土手へ転落した事故
2月25日(土)午前1時25分頃、島根県において、同県に営業所を置くタクシー
が乗客2名を乗せて運行中、右折をして橋を渡る際、当該タクシーの運転者(男性、
62歳)は、橋の欄干を確認したため当該橋に車道があるものと思い込み、歩行者専
用の橋のそばを右折したところ、当該タクシーは道路逸脱し土手を約3m転落した。
この事故による負傷者はなし。
事故当時、当該タクシーの運転者は、一つ先の自動車が走行可能な橋を渡る予定だっ
たが、進行方向をよく確認せず、一つ手前の歩行者専用の橋の欄干を走行予定の橋の
欄干と思い込んだ模様。
また、当該橋の下を流れる川の幅は約20メートルあるが、事故当時の水量はほとん
どなく、当該タクシーは浸水しなかった。
事故現場周辺は、街灯がなく暗かった。

(9)タクシーが道路を横断中の歩行者を撥ねた事故
2月29日(水)午前7時55分頃、秋田県において、同県に営業所を置くタクシー
が空車で走行中、交差点を通過しようとしたところ、右側から左側に横断していた歩
行者を撥ねた。
この事故により、撥ねられた歩行者が死亡した。
事故現場は、信号機のない見通しの良い交差点で、事故当時、当該タクシーの運転者
は制限速度内で当該交差点に進入したが、当該歩行者の発見が遅れ、急ブレーキをか
けたが間に合わず撥ねた模様。
なお、現場付近は晴れており、路面は乾燥していた。

(10)トラックなど9台が絡む多重衝突事故
2月24日(金)午前10時35分頃、東京都の高速道路のトンネル内において、群
馬県に営業所を置くトラックが片側三車線のうち左から二番目の車線を走行中、渋滞
の車列の最後尾車両に追突、追突された車両が前方に押し出され、さらに前方の車両
に追突するなどして、自家用トラック1台を含めトラック7台、乗合バス1台、乗用
車1台が絡む多重衝突となった。
この事故により、乗合バスの乗客9名を含む15名が軽傷を負った。
 
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