「事業用自動車安全通信」第129号(H24.1.20)

事業用自動車安全通信」第129号(H24.1.20)

=目 次=
1.重大事故等情報=9件(1月13日〜1月19日分)
(1)乗合バスの車内事故
(2)乗合バスなどが多重衝突した事故
(3)貸切バスの車両火災事故
(4)特定旅客車両(バス)の火災事故
(5)タクシーの車両火災事故
(6)タクシーが乗用車と衝突した事故
(7)タクシーが踏切内で列車と接触した事故
(8)トラック運転者の酒気帯び運転による事故
(9)タンク車が横転し積載していた灯油が漏えいした事故
2.降積雪期の輸送の安全確保を徹底しましょう!(再周知)

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【1.重大事故等情報=9件】(1月13日〜1月19日分)

(1)乗合バスの車内事故
1月4日(水)午後2時35分頃、鹿児島県において、同県に営業所を置く乗合バ
スが乗客18名を乗せてバス停を発車したところ、当該バス停で乗車した乗客(女
性、78歳)が転倒した。
この事故により、当該乗客が胸椎圧迫骨折の重傷を負った。
事故当時、当該乗客は着席するために車両の後方へ移動していたが、当該バスの運転
者は乗客の着席の確認を行わずに発車した模様。

(2)乗合バスなどが多重衝突した事故
1月17日(火)午前2時20頃、愛知県の高速道路(片側二車線)において、和
歌山県の乗合バスが乗客7名を乗せて追い越し車線を運行中、当該バスの2台前を走
行していたトラックBが、左側から来たトラックAに前方を譲るため排気ブレーキを
使用し減速したところ、後続のトラックCがトラックBに追突、トラックBは追突さ
れた弾みでトラックAに追突した。当該バスの運転者は危険を感じ急ブレーキをかけ
たところ、当該バスの後方を走行していた大型トラックが当該バスに追突するなど、
乗合バス1台、トラック6台の計7台が絡む多重事故となった。
この事故により、当該バスの乗客1名が眼底骨折の重傷を負い、ほか乗客6名、当該
バスの運転者及び乗員1名が軽傷負った。また、トラックの運転者数名が軽傷を負っ
た。

(3)貸切バスの車両火災事故
1月15日(日)午前11時50分頃、宮城県において、埼玉県に営業所を置く貸
切バスが乗客10名を乗せて運行中、当該バスの運転者は、後続車両のクラクション
により、当該バスの車体後部からの出火を知ったことから、直ちに当該バスを停止さ
せて、乗客を避難させるとともに、同乗していた交替運転者が当該バスに装備されて
いた消火器で消火した。
この火災事故により、当該バスのエンジンルームの一部を焼損したが負傷者はなし。
なお、当該バスの運転者は、火災の発生前、高速道路においてバックミラーで車体後
部からの発煙を確認していたが、ただの排気ガスと思い込み、そのまま走行を続け、
当該高速道路を降りて一般道を走行していた模様。

(4)特定旅客車両(バス)の火災事故
1月13日(金)午後0時20分頃、京都府において、府内に営業所を置く特定旅
客車両(バス)が回送運行中、積雪のため当該バスの運転者がタイヤにチェーンを装
着していたところ、当該バスのエンジンルーム付近から白煙が出ていることに気づい
た。このため、当該バスに装備していた消火器で消火を試みたが消火できなかったた
め、消防署に通報した。
この火災事故による負傷者はなし。
火は、駆けつけた消防隊の消火活動により鎮火したが、当該バスのエンジンルームが
焼損した。
なお、当該運行の前に行われた日常点検において異常は認められなかった模様。

(5)タクシーの車両火災事故
1月15日(日)午前8時25分頃、山形県において、同県に営業所を置くジャンボ
タクシーが乗客9名を乗せて運行中、当該タクシーの運転者がエンジンルーム付近か
らの異臭を感じたため、当該タクシーを停止させ、4〜5分間様子を見ていたが、特
段の異常はないと判断し再出発した。その後、約500m走行したところ、再びエン
ジンルーム付近から異臭し、更に発煙を確認したため、直ちに当該タクシーを停止さ
せて、乗客を避難させるとともに消防署に通報した。
この火災事故による負傷者はなし。
火は、駆けつけた消防隊の消火活動により鎮火したが、当該タクシーは全焼した。
なお、当該運行の前に行われた日常点検において異常は認められなかった模様。

(6)タクシーが乗用車と衝突した事故
1月18日(水)午前7時30分頃、長野県の駅前において、同県に営業所を置く
タクシーが乗客(女性、90歳)を降車させていたところ、当該タクシーの左側前方
に停車していた乗用車が後方の確認を行わずに当該タクシーの向きと平行に後退した
ため、当該乗用車の後部が当該タクシーの左側後部ドアに衝突した。
この事故により、当該タクシーの乗客が当該ドアに挟まれ、左足内踝を骨折する重傷
を負った。
事故当時、当該駅に設置されたタクシー専用の乗降場に、当該乗用車が停車していた
ため、当該乗用車の右後方付近に停車した模様。

(7)タクシーが踏切内で列車と接触した事故
1月18日(水)午後5時20分頃、北海道において、道内に営業所を置くタク
シーが空車で運行中、前方を走行していた乗用車に続き踏切内に進入したところ、当
該タクシーの後部バンパーと1両編成の列車が接触した。
この事故による負傷者はなし。
事故当時、踏切の先にある交差点の赤信号により、当該交差点から踏切付近まで信号
待ちの車両が停車していたが、当該タクシーの運転者は、踏切付近の交通状況をよく
確認しなかったことから、踏切内で停車していた模様。
なお、事故現場の道路は、雪もなく乾燥していた。
また、当該踏切の警報機及び遮断機は正常に作動していた。

(8)トラック運転者の酒気帯び運転による事故
1月11日(水)午後7時45分頃、千葉県において、都内に営業所を置くトラッ
クが走行中、信号待ちで停車していた乗用車に追突した。その後、事故処理のために
駆けつけた警察が当該トラックの運転者の酒気帯びの有無を確認したところ、当該ト
ラックの運転者から基準値を超えるアルコールが検出されたため、警察は、当該ト
ラックの運転者を酒気帯び運転の疑いで逮捕した。
この事故により、当該乗用車の運転者が軽傷を負った。
また、当該トラックの運行において、当該トラックの運転者に対する乗務前の点呼は
実施されていなかった模様。

(9)タンク車が横転し積載していた灯油が漏えいした事故
1月13日(金)午前6時45分頃、石川県において、同県に営業所を置く小型タ
ンク車が2,000リットルの灯油を積載して走行中、道路左側のガードレールに衝
突し横転した。その後、後続の乗用車3台が停車していたところに自家用トラックが
衝突し、そのはずみで乗用車が押され当該タンク車に衝突する多重衝突となった。
この事故により、タンク車の運転者が軽傷を負った。その他の負傷はなし。
横転した際、タンク上部に溜まっていた極少量の灯油が道路に漏えいしたが、消防隊
により回収された。
当該道路は、片側一車線の右カーブで、事故当時、路面は凍結しており、日の出前で
暗かった模様。また、雨が降っていたため、当該タンク車の運転者は、路面の凍結は
ないと思った模様。

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