「事業用自動車安全通信」第１２３号(Ｈ23．12．2)

＝目　次＝
１．重大事故等情報＝１５件（１１月２５日〜１２月１日分）
（１）乗合バスの車内事故１
（２）乗合バスの車内事故２
（３）乗合バスの車内事故３
（４）乗合バスの車内事故４
（５）乗合バスの車内事故５
（６）乗合バスが自転車に乗った学生を撥ねた事故
（７）乗合バスが田圃に転落、横転した事故
（８）タクシーが後方からきたオートバイと衝突した事故
（９）タクシーが中央分離帯に衝突、横転した事故
（10）タクシー運転者が暴行を受け死亡した事件
（11）タクシーが横断歩道上を横断していた歩行者を撥ねた事故
（12）中型トラックが大型トラックに追突するなど５台が絡む多重衝突事故
（13）トラックが停車していた乗用車に追突した事故
（14）トラクタが乗合バスに追突するなど５台が絡む多重衝突事故
（15）トラクタが側壁に衝突した事故

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【１．重大事故等情報＝１５件】（１１月２５日〜１２月１日分）

（１）乗合バスの車内事故１
１１月２４日（木）午前１０時３０分頃、三重県において、同県に営業所を置く乗合
バスがバス停で降車扱い後、乗客１２名を乗せて発車したところ、当該バス停で降車
する予定だった乗客１名（女性、８５歳）が転倒した。
この事故により、転倒した乗客が右大腿部骨折の重傷を負った。
事故当時、当該バスの運転者は、当該バス停で乗客１名を降車させて、室内鏡で車内
を確認したが、他に席を立っている乗客がいなかったため発車した模様。
転倒した乗客は、車内左側の横向きの座席から、高齢者用手押し車に掴まり、斜め前
を向いて立ち上がったところ、当該バスが動き出したため、後方へ尻餅をつく形で転
倒した。

（２）乗合バスの車内事故２
１１月２５日（金）午前８時５分頃、高知県において、同県に営業所を置く乗合バス
が乗客６名を乗せて運行中、交差点を右折した際に乗客（女性、５６歳）１名が座席
から通路に転倒した。
この事故により、転倒した乗客が右尺骨骨折の重傷（約２ヶ月の加療）を負った。
転倒した乗客は、運転席のすぐ後ろの座席に着席していたが、右折時（時速約１５キ
ロメートル）の動揺により通路に転倒した模様。
当該バスの運転者は、当該バスを停車させて、転倒した乗客の負傷状況を確認したと
ころ、「大丈夫です。」と告げられたため、そのまま運行を継続した。
転倒した乗客は、予定どおりのバス停で降車したが、その後、転倒した乗客から当該
事業者に「病院で診てもらったら骨折していた。」との連絡があった模様。

（３）乗合バスの車内事故３
１１月２５日（金）午前１１時３５分頃、長崎県のバス停において、同県に営業所を
置く乗合バスが降車扱いを終えて乗客２０名を乗せて発車したところ、乗客１名（女
性、６０歳）が転倒した。
この事故により、転倒した乗客が左腕骨折の重傷を負った。
事故当時、転倒した乗客は、次のバス停で降車するために運転席の後ろに立っていた
が、当該バスの運転者の「発車します」のアナウンスを聞き、手摺りに掴まろうとし
たが掴まりそこねて、バランスを崩し転倒した模様。

（４）乗合バスの車内事故４
１１月２５日（金）午後３時４５分頃、北海道において、道内に営業所を置く乗合バ
スが乗客５６名を乗せて運行中、バス停で停車するためブレーキをかけたところ、当
該バス停で降車する予定の乗客（女性、７５歳）が仰向けに転倒した。
この事故により、転倒した乗客が第１腰椎破裂骨折などの重傷を負った。
事故当時、当該バスの車内は混雑していたため、転倒した乗客は手摺りに掴まらずに
当該バスの前方に向かって移動をしている途中だった模様。

（５）乗合バスの車内事故５
１１月２８日（月）午後６時２０分頃、兵庫県において、同県に営業所を置く乗合バ
スが乗客５０名を乗せて片側一車線の道路を走行中、急ブレーキをかけたところ、乗
客１３名が転倒した。
この事故により、転倒した乗客１３名が軽傷を負った。
事故当時、当該バスはバス停での乗降扱いを終え、前方の交差点を直進しようとした
ところ、当該バスを追い越してきた乗用車が、当該バスの前方に割り込み当該交差点
を左折しようとブレーキをかけたことから、当該バスの運転者は、衝突を避けるため
に急ブレーキをかけた。
なお、当該乗用車はそのまま走り去った。

（６）乗合バスが自転車に乗った学生を撥ねた事故
１１月２８日（月）午後９時４５分頃、沖縄県において、同県に営業所を置く乗合バ
スが丁字路交差点を青信号に従い通過しようとしたところ、２人乗りの自転車が無灯
火で右側の道路から当該交差点に進入してきたため、当該バスの運転者はブレーキを
かけたが間に合わず当該自転車を撥ねた。
この事故により、自転車に乗った２名の学生のうち１名が死亡し、１名が軽傷を負っ
た。
事故現場は、片側一車線の道路で、事故当時、当該自転車は下り坂を下って当該交差
点に進入し、当該バスの右角のバンパーから右前方側面付近と接触した。

（７）乗合バスが田圃に転落、横転した事故
１１月３０日（水）午後４時５０分頃、山形県において、同県に営業所を置く乗合バ
スが乗客１名を乗せて運行、道路左側から飛び出してきた猫を避けようとしたところ
横転した。
この事故により乗客１名が軽傷を負った。
事故現場は、見通しの良い直線道路で、事故当時、当該バスの運転者は、猫を避ける
ためハンドルを右に切ったところ、センターラインを越えて対向車線の側溝に右側前
輪が脱輪し、電柱に衝突した後、約８０センチメートル下の田圃に転落、横転した模
様。
なお、事故当時、現場付近は小雨が降っており路面は濡れていた。

（８）タクシーが後方からきたオートバイと衝突した事故
１１月２４日（木）午後２時５５分頃、広島県において、同県に営業所を置くタク
シーが乗客１名を乗せて運行中、交差点を左折し終えたところ、当該交差点を右側か
ら直進してきたオートバイが当該タクシーの後面に追突した。
この事故により、当該オートバイの運転者が死亡した。当該タクシーの乗客及び運転
者に負傷はなし。
事故現場は、信号のある交差点で、当該タクシーは、登り坂の片側一車線の道路から
平坦な片側二車線の道路に、青信号に従い進入した模様。

（９）タクシーが中央分離帯に衝突、横転した事故
１１月２４日（木）午後３時３０分頃、愛知県において、同県に営業所を置くタク
シーが乗客２名を乗せて運行中、交差点を青信号に従い右折する際、中央分離帯の縁
石に乗り上げて横転した。
この事故による負傷者はなし。
事故当時、当該タクシーが走行してきた道路と交差する道路右側に、停止線を越えて
停車していた車両があり、当該タクシーの運転者は、当該車両の右側に設置された中
央分離帯に気付かなかった模様。

（10）タクシー運転者が暴行を受け死亡した事件
１１月２９日（火）午前２時５０分頃、神奈川県において、東京都に営業所を置くタ
クシーが、酩酊状態の男性（４８歳）を乗せて運行中、目的地付近で当該タクシーの
運転者が当該乗客に声を掛けて起こしたところ、当該乗客が暴れ出した。
当該タクシーの運転者は、車外に出て携帯電話から警察へ通報したところ、車外に出
てきた当該乗客と口論になった。
午前３時頃、通報により警察官が現場へ到着したところ、当該タクシーの運転者は当
該タクシーの前で倒れており、意識不明の状態であった。
この事件により、当該タクシーの運転者は、搬送先の病院で死亡が確認された。
なお、現場付近に当該乗客らしき男性が立っていたことから、警察はその場で身柄を
拘束し、同日、暴行容疑で逮捕した。

（11）タクシーが横断歩道上を横断していた歩行者を撥ねた事故
１１月２９日（火）午後７時３５分頃、京都府において、府内に住所を置く個人タク
シーが空車で走行中、道路を右側から左側に横断していた歩行者を撥ねた。
この事故により、撥ねられた歩行者が死亡した。
事故現場は、信号機のない横断歩道上であった。

（12）中型トラックが大型トラックに追突するなど５台が絡む多重衝突事故
１１月２６日（土）午前３時１０分頃、長野県の高速道路において、同県に営業所を
置く中型トラックが走行中、前方を走行していた大型トラックに追突したことによ
り、当該大型トラックが横転し、双方のトラックの積載物が道路上に散乱した。その
後、散乱した積載物に、後方から走行してきた２台の乗用車が乗り上げたことから、
乗り上げた２台の乗用車の運転者が車両から降りて、事故の状況を確認していたとこ
ろに、さらに後方から走行してきた自家用大型トラックが当該中型トラックに衝突
し、当該２台の乗用車の運転者は、衝突のはずみで動いた当該中型トラックに巻き込
まれた。
この事故により、当該２台の乗用車の運転者が死亡し、自家用大型トラックの運転者
が重傷、中型トラックの運転者及び大型トラックの運転者が軽傷を負った。
この事故の影響で、当該高速道路は、約９時間通行止めとなった。

（13）トラックが停車していた乗用車に追突した事故
１１月２８日（月）午前０時５５頃、愛知県の高速道路において、同県に営業所を置
く中型トラックが、渋滞のため停車していた乗用車に追突し、はずみで当該乗用車は
前方に停車していた大型トラックに追突した。
この事故により、当該乗用車の同乗者１名が死亡し、運転者が重傷を負った。当該中
型トラックの運転者及び大型トラックの運転者に負傷はなし。
事故後、警察による現場検証の際、当該トラックの運転者から酒の臭いがしたため、
警察が当該中型トラックの運転者の呼気を確認したところ、基準を超えるアルコール
が検出された。
事故現場は、片側三車線の直線で、付近は橋梁工事のため渋滞していた。

（14）トラクタが乗合バスに追突するなど５台が絡む多重衝突事故
１１月３０日（水）午後０時頃、兵庫県において、同県に営業所を置く乗合バスが乗
客２１名を乗せて運行中、交差点を左折するため信号に従い停車していたところ、後
方から走行してきたトラクタ（コンテナを積載したコンテナセミトレーラをけん引）
が道路左側のガードレールに接触した後、当該バスに追突した。このはずみで当該バ
スは、当該バスの前方に停車していた車両に追突するなど５台が絡む多重衝突となっ
た。
この事故により、当該バスの乗客など２４名が軽傷を負った。
事故現場は、片側二車線の長い下り坂。

（15）トラクタが側壁に衝突した事故
１１月３０日（水）午前０時１０分頃、静岡県の高速道路のトンネルの入り口付近に
おいて、兵庫県に営業所を置くトラクタ（トレーラをけん引）が走行中、側壁に衝突
した。
この事故により、当該トレーラに積載された２０リットル入りのオイル缶（エンジン
冷却液、グリス、機械工作用オイル等）計８０個等が道路上に散乱し、当該オイル缶
の内容物の一部の第４類第３石油類が漏洩した。
また、後方を走行していた乗用車が当該オイル缶に乗り上げ、その後、炎上した。
この事故による負傷者はなし。
この事故の影響で、当該道路は約１１時間３０分通行止めとなった。

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