「事業用自動車安全通信」第80号(H23.1.7)

事業用自動車安全通信」第80号(H23.1.7)

=目 次=
1.新年のご挨拶
2.重大事故情報=14件(12月24日〜1月6日分)
(1)乗合バスの運転者が危険運転及び経路誤り
(2)乗合バスの車内事故
(3)乗合バスが軽乗用車と衝突した事故
(4)乗合バスの運転者が経路誤り
(5)乗合バスの運転者が酒気帯び運転
(6)乗合バスが鉄道車両と衝突した事故
(7)乗合バスが歩行者を撥ねた事故
(8)貸切バスが軽乗用車と衝突した事故
(9)貸切バスの車両火災事故
(10)タクシーが交差点で乗用車と衝突した事故
(11)タクシーの乗客が乗車時に転倒した事故
(12)トラック運転者を救護義務違反の疑いで逮捕
(13)トラックなど6台が絡む玉突き事故
(14)自家用有償旅客運送の軽自動車が鉄道車両と衝突した事故

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【1.新年のご挨拶 】
新年あけましておめでとうございます。
昨年は、年間の交通事故死者数が、57年ぶりに5000人を下回った平成21年に
続いて、2年連続で4000人台となりましたが、未だ多くの尊い命が交通事故の犠
牲になっており、交通事故の防止対策の推進が重要となっています。
こうした中、国土交通省といたしましては、運行管理の高度化に資する機器の導入等
に対する支援を引き続き実施するなど、事故防止のための取組を着実に進めていくこ
ととしています。
また、このメールマガジン事業用自動車安全通信」についても、さらに充実させて
いきますので、皆様の安全教育等に一層活用していただくことを期待しています。

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【2.重大事故情報=14件】(12月24日〜1月6日分)

(1)乗合バスの運転者が危険運転及び経路誤り
12月22日午前9時50分頃、神奈川県において、乗合バスの運転者が、走行中
に私用の携帯電話にてメールを確認するなどの操作を行いながら、片手運転を行っ
た。また、その際、定められた運行経路では直進することになっている交差点におい
て、誤って左折しようとしたが、左折の途中で、当該バスの乗客からの指摘で経路の
誤りに気付いたため、当該交差点において誘導員の誘導なしで後退し、本来の運行経
路に戻った。

(2)乗合バスの車内事故
12月24日午前9時35分頃、兵庫県において、乗合バスが乗客20名を乗せて
交差点の手前を走行中、交差する道路から緊急走行中の緊急車両が交差点内に進入し
てきたことにより、当該バスの前を走行していた車両が急停止したため、当該バスの
運転者が、追突を避けようと強めにブレーキをかけたところ、当該バスの乗客1名
(69歳、女性)が転倒した。
この事故により、当該乗客は、腰椎骨折の重傷を負った。
当該乗客は、ノンステップバスの中央扉付近に立っていた模様。

(3)乗合バスが軽乗用車と衝突した事故
12月25日午前7時50頃、新潟県において、乗合バスが走行中、対向してきた
軽乗用車と衝突した。
この事故により、軽乗用車の乗員1名が死亡、運転者が重傷、当該バスの運転者と乗
客1名が軽傷を負った。
事故現場は、当該バスから見て緩やかな右カーブで、この事故は、対向してきた軽乗
用車が、スリップにより対向車線にはみ出したため発生した模様。
なお、事故当時は小雪が降っており道路は圧雪路面であった。

(4)乗合バスの運転者が経路誤り
12月28日午前6時20分頃、神奈川県において、乗合バスの運転者が、定めら
れた運行経路では左折することになっている交差点を誤って右折した。
当該バスの運転者は、経路誤りに気付いたため、当該バスを停車させて、運行管理者
の指示を仰いだが、その後、走行する際にも、緊急連絡用の携帯電話で運行管理者と
連絡を取りながら運転していた。

(5)乗合バスの運転者が酒気帯び運転
12月28日午前7時15分頃、東京都において、営業所の運行管理者が、乗合バ
スの運転者に対し、乗務前点呼を実施した際、酒気帯びの有無を確認するために使用
したアルコール検知器の結果を確認せずに点呼を終了し、当該運転者に乗務させてい
たことが判明した。
この運行による事故はなし。
当該運転者の出庫後に、当該運行管理者が、当該運転者のアルコール検知器による確
認で、アルコールが検知されていたことに気付き、当該運転者による運行を中止させ
るまでの間、当該運転者は運行経路を3往復半運行した。
なお、当該事業者の点呼時における当該検知器を用いた酒気帯びの有無の確認につい
ては、運転者は当該検知器の数値は確認せず、点呼執行者(運行管理者)のみが当該
検知器から打ち出されるシートの記載を確認することとしている模様。

(6)乗合バスが鉄道車両と衝突した事故
12月31日午後5時30分頃、京都府の踏切において、回送中の乗合バスが、一
旦停止後に踏切に進入したところ、雪により踏切の出口付近で立ち往生したため、当
該バスの運転者は脱出を試みたが、脱出できなかったため警報ボタンを操作していた
ところ、間に合わずにバスの後ろタイヤ付近に鉄道車両が衝突した。
当該事故による負傷者はなし。

(7)乗合バスが歩行者を撥ねた事故
1月4日午後2時10分頃、東京都江東区大島の明治通りにおいて、乗合バスが乗
客約50名を乗せて運行中、道路を横断中の歩行者(68才、女性)を撥ねた。
この事故により、当該歩行者が搬送先の病院で死亡した。
事故現場は、片側2車線の直線道路で、事故当時、当該歩行者は、道路左側歩道の
ガードレールが途切れたところから車道を横断しようとした模様。

(8)貸切バスが軽乗用車と衝突した事故
12月26日午前3時30頃、長野県において、貸切バスが走行中、対向してきた
軽乗用車と衝突した。
この事故により、軽乗用車の運転者1名が死亡、当該バスの乗客3名が軽傷を負っ
た。
事故現場は、視界良好で路面も乾燥していた模様。

(9)貸切バスの車両火災事故
1月1日午後3時40分頃、佐賀県において、貸切バスが乗員乗客17名を乗せて
走行中、当該バスの運転者が当該バスの前輪付近から煙が出ているのを発見し、停車
して確認したところ、前輪のブレーキドラム付近からの出火を確認したため、乗客を
避難させた後、現場付近の住民と協力して消火した。
この火災により、当該バスの前輪ブレーキドラム付近が焼損したが、乗員乗客に負傷
者はなし。
当該バスの乗客は、事業者が手配したタクシーに分乗し目的地に向かった模様。

(10)タクシーが交差点で乗用車と衝突した事故
12月24日午後8時50分頃、東京都の片側1車線の交差点において、タクシー
が乗客2名を乗せて走行中、当該交差点を直進しようとしたところ、右折を開始した
対向車線の乗用車と衝突した。
この事故により、当該タクシーの乗客のうち1名が死亡し、もう1名が軽傷を負っ
た。また、当該タクシーの運転者も軽傷を負った。
この事故は、当該タクシーが、当該交差点の信号が黄色から赤に変わる寸前に交差点
内に進入したため、発生した模様。
なお、当該タクシーの乗客2名はシートベルトをしていなかった模様。

(11)タクシーの乗客が乗車時に転倒した事故
1月4日午後2時25分頃、長崎県において、商店街巡回運行中のタクシーが、乗
降場所にて乗降扱いのため停車していたところ、乗客(女性、80才)が乗車のため
ステップに片足を乗せたところでバランスを崩し、後方へ転倒した。
この事故により、当該乗客は大腿骨骨折の重傷を負った。

(12)トラック運転者を救護義務違反の疑いで逮捕
12月25日午前6時35分頃、埼玉県において、トラックが片側二車線の道路を
走行中、信号機のある交差点を直進しようとしたところ、当該交差点の左から走行し
てきた自転車を撥ねた。
この事故により、撥ねられた男性が死亡した。
事故後、当該トラックの運転者は、撥ねられた男性を救護することなく事故現場を走
り去ったが、約400メートル走行後、警察に通報した。
警察は、当該トラックの運転者を自動車運転過失傷害と道路交通法違反(救護義務)
の疑いで逮捕した。
なお、当該トラックの運転者は「邪魔にならないよう車を(離れた場所に)止めた」
と話している模様。

(13)トラックなど6台が絡む玉突き事故
12月25日午前11時頃、千葉県において、トラックが走行中、信号待ちをして
いた車列の最後尾に停車していた乗用車に追突し、更に当該トラックの後方を走行し
ていた乗用車も当該トラックに衝突するなど、トラック1台と乗用車等5台の計6台
が絡む玉突き事故となった。
この事故で、当該トラックに追突された乗用車の乗員1名が腰の骨を折る重傷、他1
2名が頸椎捻挫や打撲などの軽傷を負った。
事故現場は、片側1車線の緩やかな左カーブで、当該トラック運転者は「脇見運転を
していた」と話している模様。

(14)自家用有償旅客運送の軽自動車が鉄道車両と衝突した事故
1月4日午前8時45分頃、青森県において、自家用有償旅客運送の軽自動車が踏
切内で立ち往生していたところ、2両編成の鉄道車両と衝突した。
この事故により、当該軽自動車の運転者及び後部座席に乗っていた利用者2名が重軽
傷を負った。鉄道車両の乗客等に負傷はなし。
事故当時、当該軽自動車は、踏切手前で一時停止した後、踏切内に進入したが、反対
側の遮断機が下りたため、踏切内で身動きが取れなくなったところ、当該鉄道車両
左側面に衝突した模様。