「事業用自動車安全通信」第69号(H22.10.15)

事業用自動車安全通信」第69号(H22.10.15)

=目 次=
1.重大事故情報=10件(10月7日〜10月12日分)
(1)乗合バスの車内事故1
(2)乗合バスの運転者が健康起因により死亡
(3)乗合バスが軽自動車と衝突した事故
(4)乗合バスの車内事故2
(5)貸切バスの車両火災事故1
(6)貸切バスの車両火災事故2
(7)貸切バスが乗用車と衝突した事故
(8)タクシーの乗客が車外に転落した事故
(9)タクシーと乗用車が衝突した事故
(10)タクシーがガードレールに衝突した事故

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【1.重大事故情報=10件】(10月7日〜10月12日分)
(1)乗合バスの車内事故1
10月8日午後0時45分頃、東京都において、乗合バスが乗客約50名を乗せ運行
中、左側の歩道を走っていた自転車の傍を徐行して通過しようとしたところ、当該自
転車がバランスを崩して車道側に倒れてきたため急ブレーキを掛けた。当該バスは当
該自転車との衝突は回避したが、急ブレーキにより当該バスの乗客4名が転倒した。
この事故により、乗客1名が腰の骨を折る重傷を負い、他の乗客3名が軽傷を負っ
た。

(2)乗合バスの運転者が健康起因により死亡
10月8日午後7時40分頃、宮城県において、乗合バスが乗客1名を乗せ運行中、
終点の停留所の手前で当該バスが停車し、当該バスの運転者が倒れた。乗客から連絡
を受けた営業所の担当者は直ちに119番通報をしたが、救急隊が駆けつけた時には
既に心肺停止状態だった。
その後、運転者は救急車により病院に搬送されたが死亡が確認された。乗客に負傷は
なし。
乗客によると車両が停止する前、運転者が乗客に対し、気分が悪いと話していたとの
こと。
なお、当該バスの運転者の健康状態については点呼時に異常は認められなかったが、
心臓疾患等の病歴がある模様。

(3)乗合バスが軽自動車と衝突した事故
10月10日午前7時25分頃、福岡県において、乗合バスが乗客7名を乗せ運行
中、対向してきた軽自動車と衝突した。
この事故により、軽自動車の運転者が死亡した。当該バスの乗客及び当該バスの運転
者に負傷はなし。
事故現場は、見通しの良い直線道路で、事故は、当該軽自動車がセンターラインを越
えてきたため発生した模様。

(4)乗合バスの車内事故2
10月12日午前9時頃、大阪府において、乗合バスが乗客30名を乗せて第一通行
帯を走行中、第二通行帯を走行していた軽自動車が当該バスの前方に急に割り込んで
きたため急ブレーキをかけたところ、立席の乗客が転倒した。
この事故により、乗客1名(女性:51才)が頸椎損傷の重傷、7名軽傷を負った。
事故当時、当該軽自動車は、前方の交差点の第二通行帯に右折のための車両が停車し
ていたため、第一通行帯に進路変更をした模様。

(5)貸切バスの車両火災事故1
10月8日午前11時40分頃、千葉県の東関東自動車道において、貸切バスが乗客
46名を乗せて運行中、パーキングエリアの約500m手前で、当該バスの運転者が
爆発音を聞いたため確認したところ、当該バスの右後方のタイヤ付近から煙が出てい
たため、当該バスの運転者は当該パーキングエリアにてバスを停車させた。
その後、当該バスの運転者が当該バスから乗客を避難させ、乗客の荷物を降ろしてい
たところ、当該バスから出火し、消防等の消火作業により鎮火したが、当該バスは全
焼した。
この火災による負傷者はなし。

(6)貸切バスの車両火災事故2
10月8日午後3時頃、山形県において、貸切バスが乗客12名とガイド1名を乗せ
て運行中、当該バスの運転者が異臭に気付いたため、車両を駐車場に停車させ乗客を
降ろしていたところ、当該バスの後部荷物室付近から煙が出ており、当該バスの運転
者が荷物室を確認すると中にあった段ボールが燃えていた。運転者は直ちに車両に備
えていた消火器により消火作業を行い鎮火した。
この火災による負傷者はなし。
当該バスに損傷は無かったが、営業所の指示により、乗客を代車に乗せ替えて目的地
へ向かった。
なお、当該バスの荷物室下部には穴が開いており、荷物室下部付近には排気管が通っ
ていることから、排気管の熱が当該穴から段ボールに伝わり出火した可能性があると
のこと。

(7)貸切バスが乗用車と衝突した事故
10月9日午後6時50分頃、長野県の交差点において、貸切バスが回送にて走行
中、乗用車(レンタカー)と出合い頭に衝突した。これにより、衝突された乗用車は
壁に衝突し、その後さらに対向してきた乗合バス(乗客なし)と衝突した。
この事故により、当該乗用車の乗員3名のうち1名が死亡し、1名が軽傷を負った。
事故現場は、信号機の無い交差点で、貸切バス側が優先道路であり、当該乗用車が一
時停止を怠り、交差点に飛び出したことにより発生した模様。

(8)タクシーの乗客が車外に転落した事故
10月7日午後0時10分頃、長崎県において、タクシーが後部座席に乗客1名と荷
物を乗せた後、助手席にもう1名の乗客を乗せようとしていたところ、当該タクシー
が発進したため、助手席に乗ろうとしていた乗客が車外に転落した。その後、当該タ
クシーは、前方の駐車車両に接触し、墓地に乗り上げ停車した。
この事故により、車外に転落した乗客は肋骨骨折の重傷、後部座席の乗客1名が軽傷
を負った。
当該事故は、当該タクシー運転者(68才)がアクセルとブレーキを踏み間違えたた
めに発生した模様。

(9)タクシーと乗用車が衝突した事故
10月8日午後9時15分頃、北海道の市道(幅員7メートル・センターラインな
し・左右に路側帯0.5メートルあり)において、タクシーが停車していたところ乗
用車が追突した。
この事故により、追突した乗用車の運転者が死亡し、当該タクシーの乗客1名が軽傷
を負った。
事故当時、タクシーはハザードランプを点灯して道路左側に停車しており、料金を精
算した乗客が降車したところに当該乗用車が追突した模様。
なお、乗用車側にブレーキ痕はなかった。 

(10)タクシーがガードレールに衝突した事故
10月9日午後5時45分頃、長野県において、タクシーが乗客1名を乗せて運行
中、道路左側のガードレールに衝突した。
この事故により、当該タクシーに乗っていた乗客が右腕を折る重傷を負った。
事故現場は、見通しのよい直線道路で、土地に不案内な運転者が右折箇所を探しなが
ら走行していたため前方不注視となり、左側に寄りすぎため発生した模様。